33歳のとき、父から「退職金と自宅を合わせると資産が6,000万円くらいある」と聞いた。東京郊外の一軒家と銀行預金。「相続税って自分には関係ない」と思っていたが、その日の夜に計算してみたら、相続人が私1人の場合の基礎控除は3,600万円。2,400万円が課税対象になることがわかり、一気に他人事ではなくなった。
1. 対策なしで相続すると、いくら失うのか
2015年の改正後、相続税の基礎控除は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」に引き下げられた。配偶者と子ども2人がいる家庭なら控除額は4,800万円だ。
都市部で自宅を持ち、退職金と貯蓄がある親がいる場合、この4,800万円を超えるケースは珍しくない。対策なしで1億円を相続した場合、最大で5,500万円が税金として消える。20〜30年かけて築いた資産が、対策の有無だけでここまで変わる。
「でもまだ親は元気だし、今考えなくていいと感じた方へ」——相続税対策の多くは「今から時間をかけるほど効果が上がる」仕組みだ。特に生前贈与は年110万円が上限なので、早く始めるほど移転できる金額が増える。動き出すのが遅いほど、選択肢が狭まる。
2. 今日から始められる3つの相続税対策
ステップ1:生前贈与を始める 毎年110万円以下の贈与は贈与税がかからない。子どもが2人いれば年220万円、10年続ければ2,200万円を相続税の対象外にできる。親御さんがいるなら、この制度を活用しているか今すぐ確認する。
ステップ2:生命保険の非課税枠を活用する 死亡保険金は「500万円×法定相続人の数」まで非課税だ。相続人3人なら1,500万円まで非課税で受け取れる。納税資金の確保にもなる。
ステップ3:不動産による評価額の圧縮を検討する 現金1億円と時価1億円の不動産では、相続税評価額が異なる。不動産は固定資産税評価額で計算されるため、2〜3割低く評価されることが多い。現金を不動産に替えるだけで評価額が下がる。
「でも親に資産の話をするのは気まずいと感じた方へ」——「将来のために把握しておきたい」という言い方で切り出せばいい。多くの親は、子どもが真剣に考えてくれることを喜ぶ。基礎控除額を超えるかどうかを確認するだけでも、次の一手が決まる。
3. 今月中にやるべき3つのアクション
- 親の主な資産(預金・不動産・保険)をリストアップしてもらう
- 家計管理アプリで自分の資産総額を把握する
- 基礎控除を超えそうなら、税理士の初回無料相談を予約する
次の記事では【贈与税の非課税枠を活用した資産移転】をお伝えする。