これは、含み損を抱えた株をどうすればいいか迷っている人のための話だ。
「もう少し待てば戻るはず」と思い続けて8ヶ月。100万円で買った株が60万円になった。あのとき-15%の段階で損切りしていれば、残りの85万円で別の投資ができた。「塩漬け」という言葉の意味を、骨身に染みて理解したのはあの経験があったからだ。
損切りを先送りすると、損失は雪だるま式に膨らむ
米国の個人投資家調査では、含み損を抱えた銘柄を平均392日保有し続け、利益が出た銘柄はわずか124日で売却していたというデータがある。多くの人が逆のことをしているわけだ。
100万円の株が80万円になったとき「20万円の損失確定は避けたい」と保有を続けると、さらに60万円まで下落することもある。損失が40万円に膨らんだ段階では、「20万円で損切りしておけばよかった」という後悔しか残らない。
感情に頼らない「損切り判断基準」3つ
基準①:価格ベースの損切り(逆指値注文)
投資時に「この価格まで下がったら自動売却」と設定する。100万円で購入したなら、95万円(-5%)か90万円(-10%)で自動売却の注文を入れる。感情が介入する余地がなくなる。
初心者の目安は損失が資金の5〜10%を超えたら売却だ。月5万円ずつ積立投資している場合、1銘柄の損失が月々の投資額を超えないよう管理できる。
基準②:企業のファンダメンタルズ悪化
「業績予想の大幅下方修正」「主力製品の不具合発覚」「経営陣の突然の交代」など、買った理由が消えたら即売却だ。価格が高いうちに売る方が合理的な判断になる。
基準③:資産配分ルール(リバランス)
株式・債券・現金を「60:30:10」と決めていたなら、株が値上がりして70:25:5になったタイミングで一部を売り、元の比率に戻す。感情ではなくルールに従った判断だ。
「でも損切りすると確実に損が確定してしまう…」と感じた方へ。 損切りは「失敗の終わり」ではなく「次の成功への入り口」だ。-20万円で損切りした85万円を別の有望企業に投資して10%リターンを得れば、8万5,000円を回復できる。損切りしなければ、その機会さえ失う。
今週やること:3ステップ
ステップ①:証券口座にログインし、保有株と購入価格・日付を一覧表にまとめる(30分)
ステップ②:各銘柄の「売却トリガー」を紙に書く。「A社は-10%で売却」「B社は業績悪化なら即売却」など銘柄ごとに
ステップ③:今週中に1銘柄だけ逆指値注文を設定する。1つ体験するだけで「損切りは実行できる行動だ」という確信に変わる
「ルールを作っても感情的になりそう…」と感じた方へ。 だからこそ「事前に」設定する。逆指値注文は自動で執行されるため、下落を目の当たりにした瞬間の感情的判断を物理的に防いでくれる。ルールが感情を代わりに管理してくれる仕組みだ。
次の記事では「投資の感情コントロール。焦りと欲に負けない方法」について話す。損切りルールを作った後に、感情的な売買をどう防ぐかがわかる。
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