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iDeCoの受け取り方で税負担が大きく変わる

「20年間コツコツ積み立てた。あとは受け取るだけ」そう思っていた60歳の私が、受け取り方を間違えて約80万円を余分に税金として払いそうになった話をする。気づいたのは退職6ヶ月前。税理士への相談が間に合ったから救われたが、知らないまま受け取っていたら取り返しがつかなかった。

iDeCoは積み立て方と同じくらい、受け取り方が重要だ。


1. iDeCoの受け取り方は2種類。税制優遇の内容が全然違う

受け取り方には「一括受け取り」と「分割受け取り」の2種類がある。

一括受け取りの場合: 退職所得控除という特別制度が使える。「退職金」として扱われるため有利な税制が適用される。20年間積み立てた場合、20年 × 40万円 = 800万円が控除され、800万円までなら税金がゼロだ。

分割受け取りの場合: 「雑所得」として扱われ、毎年の受け取り額が給与や他の所得と合算されて課税される。一括受け取りよりも税負担が重くなる傾向がある。

「でも一括でまとめてもらった方が良いに決まってる…」——実はそうとは限らない。退職金の有無によって、最適な受け取り方が逆転する。

2. あなたの「退職金の有無」で最適な受け取り方が決まる

ケース1:退職金が多い人(1,500万円以上) iDeCoは分割受け取りがおすすめだ。退職所得控除の枠が退職金で使い切られてしまうため、iDeCoを一括受け取りすると全額が課税対象になる。退職金2,000万円・iDeCo500万円の場合、iDeCo一括受け取りで約150万円の税金が発生することがある。分割受け取りで年間受取額を抑えれば課税額を下げられる。

ケース2:退職金が少ない人(500万円以下) iDeCoの一括受け取りが有利だ。退職所得控除をしっかり活用できる。勤続20年で退職金300万円・iDeCo700万円なら、合計1,000万円がほぼ無税になる。

ケース3:退職金がない人 iDeCoの一括受け取りが最も有利だ。勤続年数に応じた退職所得控除を最大限活用できる。

「でも自分の退職金がいくらになるかわからない…」——今すぐ人事部か総務部に「退職金見込み額の概算」を問い合わせる。多くの会社は教えてくれる。その金額がわかれば、最適な受け取り方の判断ができる。

3. 受け取り開始時期を遅延させるという裏技

iDeCoは原則60歳から受け取り可能だが、70歳まで遅延させることができる。

60歳で退職し、65歳まで給与収入がある場合を想定してほしい。60歳から受け取りを開始すると、退職金・給与・iDeCoの受け取りが同じ年に重なり、その年の所得が大きく膨れ上がって税率が上がる。だが退職金をもらう年はiDeCoを受け取らず、65歳で給与がなくなった後に受け取れば、税負担が大きく軽くなる。

収入源と受け取りタイミングを分散させるだけで、数十万円単位の節税になる。

今日できる最小アクション: 会社の人事部か総務部に「退職金見込み額はいくらですか」と問い合わせる。この数字がわかるだけで、iDeCoの最適な受け取り方の判断ができる。


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