65歳で退職した父が「年金の確定申告、自分には関係ないと思っていたら3万円損した」と言ってきた。知っていれば5分の手続きで取り戻せた金額だ。年金生活者の税務知識は、知るだけで毎年数万円単位の差を生む。
確定申告が必要な人・不要な人、どっちに当てはまる?
年金受給者約3,700万人のうち、確定申告が必要なのはごく一部だ。以下の2条件を両方満たせば申告不要になる。
- 公的年金(老齢基礎年金・厚生年金)のみの収入
- 年金額が400万円以下
年金だけで生活している65歳以上の多くは申告不要だ。ただし副業収入・株の配当・不動産収入があれば複数収入を一度に申告する必要がある。
「でも自分は副業もしていないし関係ない」と感じた方へ。 医療費控除・社会保険料控除・配偶者控除を活用すれば、源泉徴収された税金が戻ってくる可能性がある。申告不要でも申告したほうが得なケースは多い。
退職金と年金、税金の仕組みはまったく別物
退職金と年金の税務処理は別ルールで動いている。混同すると損をする。
退職金には「退職所得控除」がある。勤続年数に応じて一定額まで非課税になる制度だ。
- 勤続20年以下:40万円×勤続年数
- 勤続20年超:800万円+70万円×(勤続年数-20年)
30年勤続で退職金2,000万円の場合、控除額1,600万円。課税対象はわずか400万円だ。放置すれば税負担を100万円単位で損する可能性がある。退職の翌年に届く「退職所得の源泉徴収票」で税金はほぼ確定しているが、控除の活用漏れは自分で確認しないと誰も教えてくれない。
「税理士に頼むお金がない」と感じた方へ。 確定申告の医療費控除・退職金申告は国税庁の「確定申告書等作成コーナー」で無料作成できる。難しい計算はシステムが自動でやってくれる。費用ゼロで数万円を取り戻せる。
3ステップで老後資産を計画的に取り崩す
- 定期預金・普通預金から使う(税負担最小)
- 特定口座の株式・投資信託を売却する(損益通算で税負担を下げる)
- NISA口座は最後まで温存する(非課税枠を最大活用)
年間所得を400万円以下に抑えることで年金受取時の申告不要ラインを維持できる。65歳になる5年前から毎年の収入シミュレーションを立てておくことで、老後の税負担を大きく下げられる。
次の記事では【相続税の基礎控除と節税対策の基本】をお伝えする。
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