これは、「子どもの将来に全力を注ぎたいが、自分たちの老後も怖い」と悩んでいる30〜40代の親のための話だ。
35歳で第一子が生まれた友人が口にした言葉が忘れられない。「大学まで出してやりたい。でもそのとき自分たちは65歳近い。老後の貯蓄なんて何もできてないのに」——毎月の貯金を教育費に全振りして、老後資金がゼロに近い家庭を何件も見てきた。
「教育費を優先」が老後の地獄を招く
公立小中高から大学まで進学すると、総教育費は約850万円。それ自体は準備できる。問題は老後だ。夫婦の年金合計は平均月約22万円。一方、生活費は月27万円程度かかる。月5万円の赤字が30年間続くと、不足総額は1,800万円。
教育費は奨学金でカバーできる。しかし老後資金は自分で用意するしかない。優先順位を間違えると、老後に子どもに頼ることになる——これがいちばんの迷惑だ。
「でも収入が少なくて両方は無理」と感じた方へ。 月9〜12万円を教育費+老後資金に回す計算は、年収600万円(手取り月約37万円)でも生活費20万円を引けば十分に現実的なラインに収まる。問題は収入ではなく配分の設計だ。
両立のための3ステップ
ステップ1:年齢別の必要額を逆算する
35歳で子どもが7歳なら、大学入学まで11年。この間に教育費を準備しながら老後資金も積み立てる。
- 教育費:月4〜5万円(11年間で大学資金550万円超)
- 老後資金:月5〜7万円(30年で1,500万円超)
- 合計:月9〜12万円が目安
ステップ2:3つの口座で「自動化」する
給料日当日に自動振替設定する。残ったお金で生活する仕組みに変える。
- 口座A:老後資金用→つみたてNISAで運用(月6万円)
- 口座B:教育費用→学資保険または定期預金(月5万円)
- 口座C:生活費予備費→普通預金(月2万円)
ステップ3:子どもに「家計の現実」を伝える
10歳を超えたら年1回、家計の状況を話す。「大学資金を貯めるために親は頑張っている」という事実が、奨学金の活用や進学先の選択に子ども自身が責任を持つきっかけになる。
「子どもに全部出してあげたい」という気持ちはわかる。だが、教育費を100%親が負担するという固定観念が、老後の破綻を招く。奨学金は子どもへの信頼の贈り物でもある。
今日のアクション
今週末に家族で「教育費と老後費用の試算」を15分だけ話し合う。まず「子どもが18歳のとき、私たちはいくら老後資金を持っていたいか」という問いから始めてほしい。
次の記事では「老後に必要な保険と不要になる保険の整理」を解説する。今の保険料を正しく見直すだけで、年間数十万円を教育費・老後資金に回せる可能性がある。
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