これは、「老後に備えてお金を貯めているけど、実際にどう使えばいいかわからない」という30〜50代のための話だ。
定年を迎えた叔父が「老後って結局いくらあれば足りるの?」と聞いてきた。退職金1,500万円を受け取ったばかりで、何に使えばいいか途方に暮れていた。「全部銀行に預けておけばいい」と思っていたが、インフレで実質価値は毎年少しずつ減っていく。「使い方」こそが老後の豊かさを決める。
何も考えずに使うと、退職金は5年で消える
総務省の家計調査(2023年)では、65歳以上の夫婦世帯の月間支出は約23万5,000円。年間約282万円。退職金1,500万円を何も運用しないまま使い続けると、単純計算で約5年3ヶ月で底をつく。退職金が「老後の終わり」にならないために、「使う順序」を設計することが不可欠だ。
「投資で増やそうとして失敗したら困る」と感じた方へ。 老後の資産管理は「全部投資」ではなく「時間軸で区分け」するのが正解だ。5年分の生活費は普通預金・国債で安全に持ち、それ以降を低リスク運用に回す。これだけで「市場が下がっても焦らない」状態が作れる。
退職金1,500万円の「3層構造」活用法
第1層:すぐ使う資金(1〜2年分の生活費)
定期預金や普通預金に。月25万円の支出なら500〜600万円を確保する。「急な出費」に動揺しない安心の土台になる。
第2層:中期的に使う資金(5〜10年分)
個人向け国債や低リスク投資信託に。年1〜2%の利回りでインフレ対策も兼ねる。500〜700万円が目安。
第3層:長期成長資金(残り)
バランス型投資信託などで緩やかに増やしながら、年金では足りない分を取り崩す。300〜500万円で運用を続ける。
「老後になったら投資をやめて全部現金にしたい」と感じた方へ。 65歳から95歳まで30年ある。その間ずっと現金で持ち続ければ、インフレに負け続ける。年1%のインフレでも30年で資産価値は約74%になる。「第3層だけ低リスク運用する」という最小限の工夫が、老後後半の生活を守る。
資産を「取り崩す順序」で税金を最小化する
取り崩す順序を間違えると、余計な税金を払い続ける。税制優遇の薄いものから先に使うのが基本だ。
- 普通預金・定期預金(利息課税のみ)→ 最初の5年分の生活費として使う
- 特定口座の株式・投資信託(分離課税20.315%)→ 利益が出た分から順次売却
- iDeCo・つみたてNISA(非課税)→ 最後まで温存して非課税枠を最大活用
今日のアクション
今日中に現在の月の生活費を正確に把握する。そこから「老後はいくら必要か」を計算する。この数字が決まれば、退職金の3層構造への配分比率が自然に見えてくる。
次の記事では「7月の振り返りと老後設計の具体的アクション」を解説する。老後設計を「今月中に動かせる行動計画」に落とし込む方法を詳しく見ていく。
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