「老後資金2,000万円が必要」と聞いて、電卓を叩いてみた。手取り28万円から生活費を引くと、毎月の貯蓄は3万円が限界だった。2,000万円 ÷ 3万円 = 667ヶ月 = 約55年かかる計算だ。定年後も死ぬまで働き続けないといけない数字だった。その夜、初めて「老後のお金」と本気で向き合った。
結論を先に言う。正しく3つの柱を理解すれば、自分で積み立てるべき金額は2,000万円より大幅に少なくなる。
1. 老後資金の3つの柱を理解する
老後のお金は大きく3つの源泉から成り立っている。
①公的年金(国民年金・厚生年金): 65歳から受け取れる。夫婦で月額約22万円が平均的な目安だ。
②退職金: 企業によって異なるが、勤続38年の場合、平均で約1,500〜2,000万円だ。
③自分で貯めた資産: 預金・投資信託・株式などだ。
この3つが揃って初めて安心した老後生活が実現する。年金は基礎部分、退職金で不足分をカバーし、さらに自分で貯めた資産を計画的に取り崩す——この順番で考えることが重要だ。
「でも年金は将来もらえるかどうかわからない…」——完全に消えることはない。制度は維持されるが受給額は変わる可能性がある。だからこそ、年金だけに頼らない計画を今から立てることが大切だ。
2. 年金と退職金では足りない理由と対策
厳しい現実を伝える。多くの家庭では年金と退職金の組み合わせでも、100歳まで生きるには足りない。
例えばあなたが65歳から95歳まで30年生きると仮定する。月の生活費が23万円必要な場合、30年間で8,280万円かかる。一方、夫婦で受け取る年金は月22万円程度で30年間で7,920万円だ。差額は約360万円。さらに医療費や介護費用を考えると、この差はもっと広がる。
退職金1,500万円があれば足りない分を充当できるが、医療費や孫へのお小遣いといった予期しない支出まで考えると心もとない。
今からできる対策は2つだ。月5万円を20年間・年4%の運用利回りで増やせば1,600万円になる。退職金を受け取った時点で無駄遣いせず「計画的に取り崩す資産」として管理する。この2つを実行している人と何もしていない人では、80歳時点の資産に1,000万円以上の差が生まれる。
3. 今から始める実践的な3ステップ
ステップ1:現状把握(今週中) ねんきん定期便を取り出して65歳時点の年金予想額を確認する。勤務先のHRに問い合わせて退職金制度と予想退職金額を確認する。現在の貯蓄残高も整理する。この作業に1時間あれば十分だ。
ステップ2:不足分を計算(1時間以内) 希望する老後生活費から、予想される年金と退職金を引く。その差が今から準備すべき額だ。例えば月25万円の生活費で、年金が月22万円・退職金が1,500万円なら、不足は月3万円 × 12ヶ月 × 30年 = 1,080万円だ。これが目標になる。
ステップ3:毎月の積立開始(今月から) 不足分を、現在の年齢から65歳までの年数で割る。40歳で不足分が1,000万円なら、25年で割って月3.3万円だ。年4%の運用利回りがあれば、実際の積立額はさらに少なくて済む。
今日できる最小アクション: ねんきん定期便を探し出して、65歳時点の年金見込み額を確認する。その数字に12をかけると年間の年金収入になる。老後の月額支出の目安(現在の支出の80%)と比較して、月いくら不足するかを計算する。
新NISAを始めるなら: 手数料ゼロ・クレカ積立でポイント還元が高いSBI証券または楽天証券がおすすめです。