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NFTの現状と投資としての可能性

これは、NFTで大きく稼いだという話を聞いて興味を持ち始めた20〜40代の社会人のための話だ。


「友人が2021年にNFTアートを買って10倍になったと言っていた。今からでも間に合うのか」——そう思ってNFTマーケットを調べた夜、値段のついていない作品が大量に並んでいた。買い手がいないのだ。あの輝いていた市場は、どこへ消えたのか。

NFT市場の「今」——90%が消えた現実

2021年にNFT市場の年間取引額は約25兆円を記録した。しかし2023年には約3兆円まで縮小し、市場規模は最盛期の88%が消えた。

2022年に数百万円で売買されていた作品が、今では数千円以下、あるいは売却すら不可能な状態になっている。市場全体の時価総額約1.5兆円のうち80%以上が少数の有名プロジェクトに集中しており、その他大多数のNFTはほぼ無価値だ。「NFTで儲かった」という話は、このピーク時に買って売れた、ごく一部の人の話だ。


1. NFTがハイリスクである3つの理由

① 需要だけが価値を支えている

株式には企業の利益という実体がある。NFTの価値は「欲しい人がいるかどうか」だけだ。そのため需要が消えると価値は即座にゼロに向かう。2023年の市場縮小は、「欲しい人」が一気に減少した結果だ。

② ラグプル詐欺が日常茶飯事

運営者が資金を集めて逃げる「ラグプル」が横行している。2022年だけで100件以上のラグプルが報告され、被害額は数百億円に達した。規制が極めて限定的なため、被害者の救済はほぼ不可能だ。

③ スマートコントラクトのバグリスク

自動実行プログラムにバグがあれば資金が凍結・流出することがある。2023年のブリッジ型ハッキングで約700億円が奪われた事例がある。コードの安全性を一般人が確認するのは現実的に難しい。

「でも一部は本当に価値があるんじゃないの?」と思った方へ。 確かにCryptoPunksやBAYCなど生き残っているプロジェクトはある。ただし、それらを2021年以前に仕込んでいた人が利益を得たのであって、今から参入して同じ利益を得るのは非常に難しい。過去の成功事例と今の状況を同一視してはいけない。


2. NFTへの「正しい付き合い方」——3つのルール

ルール①:総資産の5%以下に抑える 余裕資金が100万円あるなら、NFTには最大5万円まで。その5万円が全額消えても生活に影響がない金額にする。「10万円が100万円になる夢」を見て生活費に手をつけた瞬間、それは投資ではなくギャンブルだ。

ルール②:プロジェクトの「中身」を確認してから買う 「SNSで話題」「いいね数が多い」という理由だけで買ってはいけない。開発チームは誰か・ホワイトペーパー(事業計画書)は存在するか・実際に何かを生み出しているか——これらが不明瞭なプロジェクトの9割は消える。

ルール③:常に日本円で損益を把握する 「0.5ETHを買った」ではなく「15万円を投資した」と考える。暗号資産の価格変動に目を奪われると、日本円ベースの損得感覚を失う。週1回、保有NFTを日本円に換算して現実を直視する習慣をつける。

「難しくてよくわからない」と感じた方へ。 わからないものには手を出さないのが最大のリスク管理だ。NFTに手を出す前に、まずインデックス投資(全世界株式など)で資産形成の土台を作ることを強く勧める。理解できてから参入しても遅くない。


3. NFTより先にやるべきこと

同じリスク志向・同じ資金でより再現性の高い選択肢がある。

NFTは「分散投資で余ったごく少額の遊び枠」として位置づけるのが現実的だ。


今日できる最小アクション

NFTを「いつか面白そう」と感じているなら、まず今週中に一つだけやること——自分の総資産額(貯金+投資)を計算し、その5%がいくらかを紙に書き出す。 その金額がNFTに使える上限だ。それを確認してから、買うかどうか判断すればいい。


次の記事では「暗号資産の税金。総合課税の高い壁を知る」について、利益が出た後に待ち受ける税金の現実を具体的な数字で解説する。


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