昇進して年収が100万円上がった。「これでやっと余裕が出る」と思っていたのに、1年後の貯金はほとんど変わっていなかった——この経験をした人は少なくありません。収入が増えると同時に支出も増えていく。これが「ライフスタイル・インフレ」の罠です。
これは「年収が上がっているのに豊かになった感じがしない」人のための話です
月収が30万円から50万円に増えたとき、「少し良いアパート」「食事のグレードアップ」「ブランド品」で月15万円が消えていく——これが典型パターンです。貯蓄率は変わらず、純資産は増えません。年収1,000万円でも月収の95%を使えば、年収300万円と経済的余裕度は大差ありません。
ライフスタイルインフレを放置すると収入増加が全部消える
年収アップのたびに固定費が上がると、家賃月1万円増で年間12万円、30年で360万円が余分に出ていきます。これを投資に回せば年利5%で30年後約800万円になります。昇給のたびに生活水準を上げ続けると、この800万円が永遠に消え続けます。
「でも収入が増えたら生活を良くしたいのは当然では…」と感じた方へ。 生活を良くすること自体は問題ありません。問題は「昇給額の全額を生活費に使うこと」です。昇給分を「投資80%・生活改善20%」に分ければ、豊かになりながら資産も増えます。全額生活費にしないことが唯一のルールです。
ライフスタイルインフレを防ぐ3ステップ
① 昇給した瞬間に増加分を別口座に移す 昇給の翌月から増加額を自動振替で投資口座へ移す設定をする。手元に来なければ使いません。「昇給前と同じ金額で生活する」を1年続けるだけで、生活水準を上げずに資産が積み上がります。
② 固定費の増加に特別に敏感になる 変動費の増加は管理できますが、固定費は「毎月確実に出ていくコスト」です。家賃・保険・サブスクが月1万円増えるたびに「年12万円・30年360万円」と換算する習慣を持ちます。
③ 貯蓄率を「%」で設定する 「毎月10万円貯める」ではなく「手取りの20%を貯める」と設定する。収入が増えれば貯蓄額も自動的に増え、生活費も少し増える。この比率設定が長期的な資産形成の鍵です。
「自動振替の設定が面倒…」と感じた方へ。 銀行アプリから5分で設定できます。「定額自動振込」「自動振替」で検索すれば手順が出てきます。この5分が毎月の手間を完全にゼロにします。
今週の最小アクション
先月と先々月の支出を比べてください。どのカテゴリの金額が増えていますか。増えた固定費が1つでもあれば、「これは本当に必要か」と問い直してください。固定費の見直しは、ライフスタイルインフレへの最初の歯止めになります。
次の記事では「本当に必要なものだけ買う『意識的消費』の実践方法」を解説します。