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地政学リスクと資産分散の考え方

28歳の秋、毎朝ニュースを見るたびに「ウクライナ、台湾、中東……」と頭を抱えていた。給料は変わらないのに、スーパーの食品価格は半年で約12%上がり、月の食費が約2万3千円から2万6千円に膨らんでいた。この「なんとなく苦しい」の正体が地政学リスクだと気づいたとき、やっと対策を動かせるようになった。


地政学リスクが「今月の家計」に直撃する理由は?

地政学リスクとは、政治的紛争や国家間の緊張が経済に波及する現象だ。「遠い世界の話」ではない。2022年のロシア・ウクライナ戦争でエネルギー価格が急騰し、日本の電気代は前年比40%超の値上がりを記録した。同期間、日経平均は約8%下落。「円預金のみ・投資なし」の人はインフレで資産が実質目減りし、何の手も打てない状態に追い込まれた。

放置したコスト試算:毎月の生活費が1万円増えると年12万円の損失。10年で120万円が消える。この損失は「仕組みを変えない限り毎年続く」という事実が最も怖い。

でも「地政学リスクが怖いから投資しない」という人へ返答しておく。リスクを「ゼロにする」のは不可能だ。やるべきことは「リスクを分散して管理する」こと。歴史を振り返れば、地政学リスクがない時代など一度もなかった。それでも資産を増やし続けた人たちは「分散」という盾を持っていた。

3つの軸で組む「地政学リスク対応」ポートフォリオ

軸1:通貨の分散

円だけで資産を持つのは危険だ。2022年は1ドル=115円→150円まで円安が進み、円資産だけの人は購買力が急落した。毎月の給料の10〜15%をドル建て資産へ。月収30万円なら月3万円をS&P500連動ファンドで積み立てるだけで、為替リスクを平均化できる。

「でも為替損失が怖い」と感じた方へ。積み立て期間を10年以上とれば、為替変動の影響は平均化される。一括投資より毎月少額を継続するドルコスト平均法が、この不安を解消する最善策だ。

軸2:資産クラスの分散

目安配分:株式60%(国内30・海外30)、債券30%(国内20・海外10)、金・不動産など10%。地政学ショックで株が10%落ちても、金や債券が5%上昇することで全体の損失を半減できる。これが分散の実力だ。

軸3:地域の分散

日本株だけでは「日本リスク」に集中する。eMAXIS Slim全世界株式(信託報酬0.05%台)1本で世界50カ国以上に自動分散できる。毎月2万円を10年積み立てれば、年率5%想定で約310万円の資産になる。

今月から動かす3ステップ

ステップ1:全資産を書き出す(預金・保険・株・投信)。現金比率が80%以上なら要注意だ。

ステップ2:毎月の積立額を決める。月収の15〜20%を投資へ。月収25万円なら月3〜5万円が目安だ。

ステップ3:証券口座でeMAXIS Slim全世界株式の自動積立を設定する。今日30分あれば完了できる。

「今の生活で積み立てる余裕がない」と感じた方へ。固定費の見直しから始めよう。格安SIMへの乗り換えだけで月3千円、年3万6千円が生まれる。この3万6千円が積み立ての原資になる。


次の記事では【エネルギー価格が生活とインフレに与える影響】をお伝えする。


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