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少子高齢化が不動産市場に与える長期影響

「早めに家を買っておいたほうがいい。不動産は資産になるから」と親に言われた。半分納得しかけたが、ローンを組むと毎月いくら残るかを計算してみた。さらに調べると、2050年には全住宅の約30%が空き家になるという数字が出てきた。「必ず値上がりする」という前提が崩れているのに、何千万円もの借金を背負う判断を感情でしていいのか——そこで立ち止まれたのは、数字を見たからだった。


「不動産は買えば必ず値上がりする」という時代は、少なくとも日本全体では終わっています。地域や物件によって明暗が分かれる時代に入っています。少子高齢化という人口動態の現実を直視して、資産の組み方を見直してください。


日本の不動産市場が直面している現実

日本の人口は2023年で1億2,494万人。毎年約70万人のペースで減少しており、2070年には約8,700万人になると予測されています。

この人口減少は不動産市場の需給バランスを根本から変えます。2020年時点での全国の空き家数は約849万戸で、全住宅の約13%がすでに空き家です。国立社会保障・人口問題研究所の推計では、2050年には空き家が約2,150万戸に達する可能性があります。

年度空き家数全住宅に占める割合
2020年約849万戸約13%
2050年(推計)約2,150万戸約30%

「東京の不動産は人口が集中しているから、地方の話とは違うのでは?」 東京23区でも、主要ターミナル周辺と郊外では明暗が分かれます。「東京だから大丈夫」という一括りの判断は危険です。駅から徒歩15分以上の物件は、すでに賃貸需要の低下が始まっています。

資産価値を保てる不動産の条件

①人口流入が続く地域を選ぶ 渋谷・新宿・品川などの主要ターミナル周辺は今後も一定の需要が見込めます。一方、地方都市の郊外物件は売却・賃貸ともに難しくなる可能性が高いです。地方の中核都市でも人口減少に転じている都市は約60%に上ります。

②高齢者が住みやすい設計・立地を重視する 2050年には日本人の約39%が65歳以上になります。バリアフリー設計、駅近、医療施設が充実した地域かどうかが、今後の不動産価値の重要な評価軸になります。

③安定した賃貸需要があるか確認する 不動産を買う前に「20年後に売れるか、貸せるか」を真剣に考えてください。地方の一軒家は「借り手がつかない」リスクが高く、感情的な判断が20年後の大きな損失につながります。

「マイホームは資産というより生活のためだから、投資と分けて考えればいいのでは?」 3,000〜5,000万円の住宅ローンを30年かけて返す決断は、資産形成の観点でも最大級の意思決定です。「生活のため」で思考を止めると、老後に売れない・貸せない不動産だけが残るリスクがあります。

不動産偏重からの脱却を

月10万円を資産形成に回す場合の一例を比較します。

旧来型(リスク集中)

分散型(推奨)

不動産一本に集中させるのではなく、複数の資産クラスに分散させることで、どこかが下落しても全体をカバーできます。

今日できる最小アクション: 自分が住んでいる地域の「空き家率」と「人口推移」を自治体のウェブサイトで確認する。数字を見るだけで、その地域の不動産の将来性が見えてきます。


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