子どもが生まれたとき、最初に思ったのは「大学まで行ったらいくらかかるんだろう」でした。
調べたら、私立大学4年間の学費が平均550〜600万円という数字が出てきた。入学金・授業料だけで、生活費や塾代は別。
「これは計画的にやらないとまずい」と思って、学資保険とNISAを真剣に比較しました。
教育資金はいくら必要か
まず現実的な数字を整理しました。
文部科学省の調査(令和3年度)をもとにした概算:
| 学校種別 | 公立 | 私立 |
|---|---|---|
| 幼稚園(3年) | 47万円 | 93万円 |
| 小学校(6年) | 211万円 | 1,000万円 |
| 中学校(3年) | 162万円 | 430万円 |
| 高校(3年) | 154万円 | 315万円 |
| 大学(4年) | 243万円(国立) | 550万円(私立文系) |
幼稚園〜高校まですべて公立、大学だけ私立文系という場合: 47 + 211 + 162 + 154 + 550 = 1,124万円
すべて公立の場合でも: 47 + 211 + 162 + 154 + 243 = 817万円
「1,000万円前後」が現実的な目標額になります。
ただし、これは「学校に直接払うお金」だけ。塾・習い事・部活・大学生の生活費を含めると1,500〜2,000万円という試算もある。
今回は「大学4年間の学費として500万円を18年で準備する」という目標で計算しました。
学資保険の仕組みと実態
学資保険は「保険」と「貯蓄」を組み合わせた商品です。
仕組み:
- 毎月一定額を払い込む
- 子どもが18歳(高校卒業時)などのタイミングで満期保険金を受け取る
- 契約者(親)が死亡した場合、以降の保険料が免除される
返戻率の実態:
2024年時点の学資保険の返戻率は、おおよそ**100〜106%**程度が一般的です。
- 払込期間が短いほど返戻率は高くなる傾向がある
- 10年払いなど短期払いで106〜110%になる商品もある
具体例として、月1.5万円×18年払い(合計324万円)で返戻率103%なら: 受取額 = 324万円 × 1.03 = 333.7万円
差額 = 約9.7万円
18年で9.7万円増えた、という話です。
デメリット:
- 途中解約すると元本割れする
- インフレに弱い(返戻額が固定)
- 低金利環境では実質利率がほぼゼロに近い
NISAで教育資金を積み立てると
同じ月1.5万円を18年間、NISAで積立投資した場合を計算します。
条件:
- 毎月1.5万円
- 18年間(216ヶ月)
- 年利4%(オルカン・インデックスファンドで保守的な想定)
計算結果:
- 元本:324万円
- 18年後の想定資産:約470万円(税引前)
- NISAなので運用益は非課税
- 利益:約146万円
年利4%の場合、学資保険(9.7万円の利益)と比べると約15倍の差が出る計算。
年利3%でも約360万円(利益36万円)になり、学資保険を上回ります。
NISAの注意点:
ただし、NISAには「元本保証がない」という大きな違いがあります。
株式市場が暴落した場合、18年後に元本を下回る可能性もゼロではない。特に「18歳時点で必ず500万円必要」という硬い目標には向かない面があります。
実際に私が選んだ方法
子どもが生まれたとき、私の結論は「NISAメインで、学資保険の死亡保障機能だけ別途確保」でした。
具体的な構成:
①NISA(つみたて投資枠)月1.5万円 × 18年 → オルカン(全世界株式インデックス)
②掛け捨て生命保険 月2,000円程度 → もし自分が死んだときの収入補填として
学資保険の「親が死んだら保険料免除」という機能は確かに有意義です。でもこの機能のために学資保険に入るより、「NISA + 別途掛け捨て生命保険」の方がコストパフォーマンスが高い。
掛け捨て生命保険で3,000万円の保障を月2,000円程度で確保すれば、学資保険の死亡保障機能を代替できます。
「18歳時点で絶対に必要」問題への対応
NISAの最大のリスクは「18歳時点の相場が悪い場合」です。
これへの対応として、14〜15歳あたりから徐々に現金(安全資産)に移すという方法があります。
具体的には:
- 0〜13歳:NISA(株式インデックス)でフルリスク運用
- 14歳〜:毎年少しずつ株式を売却して現金化
これにより、18歳時点の「相場が底の場合に全資産がマイナス」というリスクを分散できます。
一括でなく段階的に現金化することで、平均取得単価の「出口側」をならす効果があります。
学資保険が向いているケース
NISAの方が期待値は高いですが、学資保険が合っているケースもあります。
学資保険に向いている人:
- 投資に強い抵抗感があり、「元本割れが絶対に嫌」という人
- 強制的な貯蓄の仕組みが必要な人(NISAは売れてしまうため)
- 子どもが10歳以上で投資期間が短い人(8年以下は株式リスクが高い)
「資産が増えることより、確実に貯まる仕組みが欲しい」という場合、学資保険の安心感には価値があります。
教育資金の「最悪シナリオ」を考える
私が一番参考になったのは「最悪のシナリオを想定すること」でした。
最悪ケース:
- 相場が暴落したまま子どもが18歳になる
- 積立元本324万円が250万円に減っている
このとき「残り250万円」の不足分は?
国立大学なら約243万円の学費なので、ほぼカバーできる。私立でも奨学金・入学後のバイト・親の追加支援でなんとかなる可能性がある。
「最悪でも元本の半分は残る(株式インデックスが80%以上下落することは歴史上ほぼない)」「そのレベルの暴落後は通常回復する」という考え方もあります。
「学資保険 + NISA」のハイブリッドという選択
最後に、二択じゃなく「両方使う」という選択肢も現実的です。
ハイブリッド例:
- 学資保険:月1万円(元本保証部分として)
- NISA:月0.5万円(期待値を上げる部分として)
元本保証の安心感を確保しつつ、一部をNISAで運用するというバランスです。
「絶対に元本割れが怖い」という人に向いている方法で、返戻率と期待リターンのいいとこ取りを狙えます。
まとめ
教育資金の準備方法をまとめると:
| 方法 | 安全性 | 期待リターン | 向いているケース |
|---|---|---|---|
| 学資保険 | ◎ 元本保証 | △ 0〜6% | 元本割れが絶対に嫌 |
| NISA(株式インデックス) | △ 元本割れリスクあり | ○ 3〜7%(長期) | 長期投資できる・リスク許容できる |
| ハイブリッド | ○ | ○ | 両方の安心感が欲しい |
「正解」は一つではありません。ただ「何もしない」よりは「どちらかで積立を始める」方が確実に良い。
子どもが0歳なら18年の時間があります。少額でもNISAの積立を始めることが、教育資金問題への最初の一手になります。
マネーフォワード ME
学資保険・NISA・現金貯蓄を一括管理して「教育資金が今いくら積み上がっているか」を見える化できます。子どもの年齢と残り期間から、毎月の積立額が足りているかチェックしましょう。