31歳のとき、転職して年収が100万円上がりました。
360万円から460万円へ。
「これで生活が変わる」と思っていましたが、半年後に気づいたのは「思ったほど変わっていない」ということでした。
なぜ変わらなかったのか、お金の使い方はどう変わったのか、正直に書きます。
転職前後の手取り比較
まず実際の手取りの変化を整理します。
転職前(年収360万円):
- 月の手取り:約24.5万円
- 賞与を含む年間手取り:約285万円
転職後(年収460万円):
- 月の手取り:約30万円
- 賞与を含む年間手取り:約358万円
差額:
- 月の手取り:+5.5万円
- 年間手取り:+73万円
「月5.5万円増えた」という現実でした。
「年収100万円増え」という数字の印象より、実際の手取りの増加は少ない。所得税・住民税・社会保険料が増えるためです。
年収100万円の増加に対して、手取りの増加は約70〜75万円が目安です。
なぜ「思ったほど変わらなかった」のか
月の手取りが5.5万円増えたにもかかわらず、「生活が変わった」という実感が半年後には薄れていました。
理由を振り返ると、3つありました。
①支出が増えた
「少し余裕がある」という感覚が、「少し豪華なものを買う」「外食の頻度が増える」という行動につながりました。
月の食費が2万円から3万円へ。洋服代が月5,000円から1.5万円へ。
支出増加の合計:月2〜3万円
5.5万円増えたが、2〜3万円は支出増加に消えた。
②「慣れ」が起きた
手取り30万円が「普通」になってしまった。
最初は「こんなに入ってくるのか」という感覚がありましたが、3〜4ヶ月後には「当たり前」になっていた。
心理学でいう「ヘドニック・トレッドミル(快楽の踏み車)」——良い状態に慣れると元の幸福感に戻るという現象です。
③「もっと増えれば」という欲が出た
年収460万円になったら「500万円になれば」という気持ちが出てきた。
「100万円上がれば幸せになれる」という思い込みは、「100万円上がっても次の目標ができる」という現実に変わった。
お金の使い方に起きた変化
「増えた分をどう使うか」という点では、意識的に考えて行動するようにしました。
貯蓄・投資の比率を上げた
転職をきっかけに、「増えた分の半分は投資に回す」というルールを作りました。
月の手取りが増えた5.5万円のうち、3万円をNISAの積立に追加しました。
これにより:
- 転職前のNISA積立:月1万円
- 転職後のNISA積立:月4万円
「生活水準は少しだけ上げて、増えた分の大半は将来のために使う」という方針にしました。
「先取り」の仕組みを作った
「余ったら貯める」から「先に積立する、残りで生活する」に変えました。
給与が入ったその日に自動積立で投資に回るよう設定。残りを生活費として使う。
「先取り貯蓄」の仕組みを作ると、「使い切ることがない」状態になります。
「年収を上げること」と「幸福感」の関係
転職で年収が上がって、気づいたことがあります。
「年収が上がれば幸せになれる」という仮説は半分正しい
確かに、月の手取りが増えると「家賃の選択肢が増える」「旅行に行きやすくなる」という具体的なメリットはあります。
一方で、「年収〇〇万円になれば幸せになれる」という期待が高すぎると、現実とのギャップで失望することもある。
「増えた分の使い方」の方が重要
同じ100万円アップでも、「全部消費に使う人」と「半分を投資に回す人」では、5年後・10年後の資産状況が大きく変わります。
年収100万円アップ後に「5年間、増えた分の半分(50万円/年)を投資に回す」と:
50万円 × 5年 = 250万円(元本) 年利5%で5年積立した場合 → 約310万円
「年収が増えたとき、その使い方をどうするか」が、長期的な資産形成の鍵になります。
年収アップより効果が高かったこと
転職で年収が上がった後、「実はこちらの方が効果が大きかった」と感じたことがあります。
固定費の削減
転職後に固定費を見直しました。
- スマホ:月8,000円 → 月3,000円(格安SIM):月-5,000円
- 保険:見直しで月-10,000円
- サブスク:整理で月-3,000円
合計:月-18,000円の固定費削減
「月5.5万円の収入増」に対して「月1.8万円の固定費削減」でも、効果の実感は同じくらいあります。
なぜなら固定費削減は「毎月確実に手残りが増える」から。収入増は所得税・住民税・社会保険料が増える分だけ手残りが少なくなりますが、固定費削減は全額が手残りに直結します。
転職して3年が経って
年収100万円アップの転職をして3年以上経ちます。
良かったのは「スキルが広がった」「転職市場での価値が上がった」という点です。お金の面では想定ほどの変化はなかったが、自分の「市場価値」という観点では確実に良い選択でした。
お金の面での教訓は「収入が増えたときに支出も同じだけ増やさない」こと。
増えた分を全部消費すれば、10年後も「手取りが少ない」という感覚は変わりません。増えた分の一部を投資に回し続けることが、長期的な豊かさにつながります。
年収アップは「スタートライン」です。そこから何をするかで、5年後・10年後が変わります。
マネーフォワード ME
転職後の収入変化を家計アプリで管理できます。「手取りがいくら増えたか」「支出が増えていないか」を数字で確認して、増えた分を有効活用する仕組み作りに役立ててください。