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新NISA 1,800万円の枠を埋めるための現実的な戦略——何年かかるか、どう使うか

新NISAが始まって「生涯1,800万円の非課税枠」という言葉をよく聞くようになりました。

「1,800万円全部埋めたい」と思いましたが、年収400万円の会社員の私には「1,800万円なんて一生無理では」という感覚でした。

でも冷静に計算してみると、「普通の会社員でも現実的なプランがある」と分かりました。


新NISAの枠の整理

まず新NISAの制度を整理します。

新NISAの構造:

区分年間投資上限生涯上限特徴
つみたて投資枠120万円/年1,800万円(共通)長期積立向け投資信託
成長投資枠240万円/年1,200万円(上限あり)株式・幅広い投資信託
合計360万円/年1,800万円非課税保有

旧NISAと違い、売却すると翌年に枠が復活するという大きな特徴があります。


1,800万円を埋めるのに何年かかるか

年収・積立可能額別に試算しました。

年収300万円(手取り約240万円)

年収400万円(手取り約310万円)

年収500万円(手取り約385万円)

年収700万円(手取り約530万円)


「全部埋める」ことにこだわらなくていい理由

「1,800万円を全部埋めなければいけない」という義務感を持つ必要はありません。

理由は2つです。

①1,800万円は「上限」であり「目標」ではない

生涯1,800万円の非課税枠は「最大でもこれだけ非課税で使える」という上限です。

500万円でも1,000万円でも、自分が積み立てた分だけ非課税の恩恵を受けられます。

「埋めなかった枠 = 損した」ではなく、「積み立てた分は全て非課税で運用できる」という捉え方が正確です。

②老後資金の目標額から逆算した方が合理的

「老後に2,000万円必要」「65歳時点で3,000万円が目標」という具体的な目標から積立額を決める方が、「1,800万円埋める」より現実的な計画になります。


年収別の現実的な積立プラン

「老後(65歳)に向けて資産形成する」という目標で、年齢別の積立プランを試算します。

30歳から始めた場合(投資期間35年)

月3万円積立 × 年利5% × 35年: → 約3,060万円(元本1,260万円、利益約1,800万円)

月2万円積立 × 年利5% × 35年: → 約2,040万円(元本840万円、利益約1,200万円)

月1万円積立 × 年利5% × 35年: → 約1,020万円(元本420万円、利益約600万円)

35年という時間があれば、月1万円〜3万円という「普通の会社員が無理なく積立できる範囲」で老後資金を作れます。

40歳から始めた場合(投資期間25年)

月5万円積立 × 年利5% × 25年: → 約3,050万円(元本1,500万円)

月3万円積立 × 年利5% × 25年: → 約1,830万円(元本900万円)

月2万円積立 × 年利5% × 25年: → 約1,220万円(元本600万円)

40代から始めても25年あれば十分な資産形成が可能です。


つみたて投資枠と成長投資枠の使い分け

新NISAには2つの枠がありますが、使い方のポイントは:

つみたて投資枠(月10万円まで)

長期積立・分散投資に適した投資信託が対象です。

毎月自動積立の設定ができ、「ほったらかし投資」に最も向いています。

全世界株式インデックス(オルカン)やS&P500インデックスがここに入ります。

成長投資枠(年240万円まで)

個別株・より幅広い投資信託・REITなどが対象です。

まとまった資金を一括投資したいときや、個別株を試したいときに使います。

基本方針:

投資初心者や「ほったらかし運用希望」の場合は、つみたて投資枠だけで始めるのがシンプルです。

成長投資枠は「余裕資金があり、もう少し積極的に運用したい」場合に追加で使います。


「枠の復活」をどう活用するか

新NISAの大きな特徴の一つが「売却すると翌年に非課税枠が復活する」ことです。

これにより、旧NISAでは「一度使った枠は使い切り」だったのが、「使い回しができる」ようになりました。

活用例:

教育資金の引き出し → 大学進学時(18歳)にNISA内の投資信託を売却して教育費を確保 → 売却した分の枠が翌年復活するため、また積立を再開できる

住宅購入の頭金 → 必要な時期に売却して住宅購入資金に充てる → その後また積立を再開する

これにより、NISAは「老後資金専用」ではなく「人生全体の資産管理ツール」として使えるようになりました。


1,800万円より大切なこと

最後に、「1,800万円の枠を埋める」より大切なことを書きます。

①まず始めること

1,800万円という大きな数字に怖気づいて「いつか始めよう」と思っているより、月1万円でも今日から始める方が重要です。

複利は時間が長いほど効果が大きい。1年の遅れが、10年後・20年後に大きな差になります。

②続けること

相場が下がったときに積立をやめない。「下がっているときも買い続ける」ことが長期積立の効果を生み出します。

③生活防衛資金を確保した上で積み立てること

NISA積立は「余剰資金」で行うのが基本です。生活費3〜6ヶ月分の現金を確保した上で、残りをNISAへ。

急な出費でNISAを売却しないで済む状態を作ることが、長期積立を続ける条件です。

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