奨学金を借りていた人ならわかると思うのですが、「返済開始」の通知が来たとき、正直ぞっとしました。
社会人1年目、手取り月22万円。家賃7.5万円。奨学金の返済が月16,000円から始まる。
「これで貯金なんてできるのか」と思いました。
でも5年後、奨学金を返しながら貯金100万円を達成できました。やったことを正直に書きます。
私の奨学金の状況
大学4年間で借りた奨学金:
- 第一種(無利子):月45,000円 × 48ヶ月 = 約216万円
- 第二種(有利子・年利0.9%):月30,000円 × 24ヶ月 = 約72万円
- 合計借入:約288万円
返済開始は社会人1年目の10月から。月の返済額16,500円、返済期間は約15年の予定でした。
「15年後まで毎月16,500円か…」と思うと気が重かった。でも見方を変えれば「月16,500円を捻出できれば返せる借金」でもある。
手取り22万円の家計の組み方
まず月の収支を全部書き出しました。
収入:
- 手取り月収:220,000円
固定支出:
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 家賃 | 75,000円 |
| 奨学金返済 | 16,500円 |
| 電気・ガス・水道 | 8,000円 |
| スマホ(格安SIM) | 2,500円 |
| 生命保険 | 2,800円 |
| 交通費(定期代) | 8,500円 |
| 固定費計 | 113,300円 |
変動支出(目標):
| 項目 | 目標 |
|---|---|
| 食費(外食込み) | 30,000円 |
| 日用品 | 5,000円 |
| 娯楽・交際費 | 15,000円 |
| 被服・雑費 | 5,000円 |
| 変動費計 | 55,000円 |
残り: 220,000 - 113,300 - 55,000 = 51,700円
この51,700円を「貯金」と「予備費」に分けました。
- 貯金:40,000円(先取り)
- 予備費(緊急時・年払い保険・突発支出):11,700円
「先取り貯金」だけが機能した
最初の2ヶ月、「余った分を貯金する」方式を試しました。
結果:2ヶ月でゼロ円しか貯まりませんでした。
「余った分」は必ず使ってしまう。これが私の性格でした。
3ヶ月目から「先取り貯金」に切り替えました。
給料が入ったら即日、別口座に40,000円を移す。移した後の残りで生活する。
この方式に変えてから、貯金が毎月確実に積み上がるようになりました。
1年目の結果: 40,000円 × 12ヶ月 = 480,000円
途中で冠婚葬祭・引っ越し代立替え・体調不良で欠勤などがあり、予備費を崩したこともあります。それでも年間35万〜40万円は貯められました。
奨学金の返済と貯金を「両立」させるための考え方
「奨学金を早く返してから貯金する」という考え方もあります。
でも私は「奨学金返済と貯金を並行する」選択をしました。
理由:
①第一種奨学金は無利子
無利子であれば、「早く返すメリット」は心理的な解放感だけです。お金として損をしているわけではない。
手元に現金を積み上げる方が、緊急時のリスクに対応できます。
②第二種は低利子(0.9%)
年利0.9%は、インフレ率や投資リターンを考えると「急いで返すべき借金」とは言いにくい水準です。繰り上げ返済の優先度は低いと判断しました。
③緊急予備費がない状態で返済を急ぐとリスク大
社会人1〜2年目で手元資金ゼロの状態で急病・失業・転居が重なると、消費者金融を頼ることになりかねない。
「奨学金を返しながら、生活防衛資金を積み上げる」が最優先だと考えました。
食費を月3万円以内に抑えた具体策
固定費は削りにくいが、食費は工夫次第で変えやすい。
実際にやったこと:
自炊の頻度を上げる(週5日)
週5日自炊、週末の外食は月2回まで、というルールにしました。
外食1回1,500〜2,000円として、週1→週0.5に減らすだけで月3,000〜4,000円違います。
食材の「まとめ買い」と「使い切り計画」
週1回スーパーで1週間分をまとめて購入。メニューを決めてから買い物するので食材を余らせない。
食材を腐らせて捨てることが「見えない食費の無駄」として意外と大きい。これを減らすだけで月1,000〜2,000円変わりました。
コンビニに入らないルール
コンビニは一度入ると必ず予定外のものを買います。「コンビニに入らない」を徹底しました。
スーパーのまとめ買いでペットボトルや菓子類も買うことで、コンビニに入る理由をなくしました。
スマホを格安SIMにした
社会人になった当初、キャリア(ドコモ)をそのまま使っていました。月8,000円。
1年目の家計見直しで格安SIMに切り替えました。
選んだのは当時のIIJmio(月2,500円程度)。電話番号はそのまま、乗り換え費用はゼロ。
月5,500円の削減。年間66,000円。
5年間で見ると33万円の差。これを貯金に上乗せできたのは大きかった。
3年目:NISAを始めた
貯金が60万円を超えたあたりで、NISA(当時のつみたてNISA)を始めました。
貯金のペースを月40,000円→月25,000円に落として、差額の月15,000円をNISAに回す形にしました。
理由:
- 生活防衛資金(6ヶ月分=約120万円)が見えてきたので、一部を長期投資に回す余裕が出てきた
- 現金で置いておくより、長期的には運用した方が有利という判断
NISAを始めてから2年で、投資残高は元本36万円が42万円になっています(含み益6万円)。
5年間の実績
| 年次 | 年間貯蓄(先取り) | 奨学金返済額 | 年収 |
|---|---|---|---|
| 1年目 | 37万円 | 198,000円 | 手取り264万円 |
| 2年目 | 43万円 | 198,000円 | 手取り274万円 |
| 3年目 | 40万円(NISA開始) | 198,000円 | 手取り285万円 |
| 4年目 | 41万円(NISA込み) | 198,000円 | 手取り290万円 |
| 5年目 | 43万円(NISA込み) | 198,000円 | 手取り300万円 |
5年合計貯蓄:約204万円 5年合計奨学金返済:約99万円 NISA残高(含み益込み):約42万円
奨学金があっても貯めるための3つのポイント
5年間で気づいたことをまとめます。
①奨学金の返済も「固定費」として最初から予算に組み込む
「返済があるから貯金できない」という思い込みを外す。返済分を除いた残りで生活設計を組む。
月16,500円の返済は「最初からない収入」として扱う。この感覚が続けるコツでした。
②先取り貯金は「余裕がないときほど」有効
「余ったら貯金する」は機能しない。給料日に自動的に別口座へ移す設定をすることで、迷う余地をなくす。
③奨学金の「繰り上げ返済」より「生活防衛資金の確保」を先にする
繰り上げ返済したくなる気持ちは理解できます。心理的に楽になる。でも手元資金がゼロの状態で何か起きたとき、より高利の借金(消費者金融など)を頼るリスクの方が大きい。
まず生活費3〜6ヶ月分の現金を確保してから、繰り上げ返済を検討した方が合理的です。
「奨学金がある=貯めにくい」は本当か
結論として、奨学金の返済があっても貯めることはできます。
ただし「何も考えずに貯まる」という環境ではない。意識して仕組みを作る必要がある。
先取り貯金・格安SIM・食費管理・NISA。どれも難しいことではなく、「決めたことを続ける」だけです。
「返済があるから仕方ない」と諦めている人に届けばと思います。
マネーフォワード ME
奨学金返済・貯金・NISA残高を一括で管理できます。「今月いくら余るか」を毎月確認することで、先取り貯金の金額設定や繰り上げ返済のタイミングを判断しやすくなります。
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本記事は2026年時点の情報に基づいています。奨学金の返済条件・利率は借入時期によって異なります。詳細は日本学生支援機構(JASSO)の公式サイトをご確認ください。