29歳のとき、「今月こそ3万円貯める」と固く決意して給料日を迎えた。でも月末に通帳を見たら残高は4,200円。3万円どころか、何も残っていなかった。
「意志が弱いのかな」と落ち込んだが、後から知ったのは、これは意志の問題ではなかったということだ。人間の脳は「今そこにあるお金」を使ってしまう構造になっている。仕組みで解決しない限り、どれだけ決意を新たにしても同じことが繰り返される。
N(Narrowing):この記事は「意志では貯められない」と感じている人向けの話
毎月「今月こそ貯める」と決意しても月末にゼロになる状態が続いている20〜40代に向けた内容だ。
A(Agitation):「月末に余ったら貯金」方式は構造的に機能しない
手取り25万円で生活費が23万円なら、毎月2万円残るはずだ。でも実際には残らない。使えるお金があると、脳はそれを「全部使えるお金」と認識するからだ。
この方式を続けると、1年後も2年後も貯金ゼロのままだ。10年で240万円の「貯められなかった金額」が積み上がる。
S(Solution):「先に貯金、残りで生活」の順番に変える3つの方法
方法①:財形貯蓄・社内積立制度を使う
勤め先にこの制度があれば、これが最強だ。給料から自動で天引きされるため、そもそも手元に届かない。「なかったお金」として脳が認識する。
- 手続きは人事部への申請1回だけ
- 財形貯蓄は税制優遇あり
- 最低積立額は月1万円〜が多い
まず会社の制度一覧を確認する。意外と知られていない制度が眠っていることがある。
方法②:銀行の自動振替を設定する
財形制度がない場合はこちら。給料振込口座から、毎月給料日の翌日に別口座へ自動で振り替える設定をする。
| 項目 | ポイント |
|---|---|
| 貯金用口座 | メインバンクとは別の銀行に開設 |
| 設定方法 | アプリまたはATMから5分で完了 |
| 金額の目安 | 手取りの15〜20%から始める |
別の銀行にすることが重要だ。同じ銀行だとアプリで残高が見えてしまい、つい使ってしまう。「見えないお金は使わない」という原則を活用する。
「でも自動振替を設定したら生活費が足りなくなるかも…」と感じた方へ。 最初の金額設定を低くすればいい。月1,000円でも構わない。大事なのは「仕組みを動かし始めること」だ。仕組みが動けば、後から金額を増やすのは簡単にできる。低い金額でも1年後に残高が増えている体験が、次の原動力になる。
O(Offer):今日できる最小アクション1つ
今日、銀行アプリを開いて「自動振替(定期振込)」の設定画面を確認する。月3,000円からでも設定する。それだけでいい。
| 手取り月収 | 最初の目標(無理しない場合) | 1年後の貯金額 |
|---|---|---|
| 20万円 | 1万円〜 | 12万円〜 |
| 25万円 | 1.5万円〜 | 18万円〜 |
| 30万円 | 2万円〜 | 24万円〜 |
最初に設定した月1万5,000円で、3ヶ月後に通帳に4万5,000円が増えているのを見たとき、「貯まっていく感覚」が初めてわかった。その感覚が次の原動力になる。
次の記事では「財布を見ればお金の使い方がわかる」という話をする。家計管理アプリを使う前に、まずこれを読んでほしい。