30歳で初めて投資信託を買い、毎月の分配金3,000円を現金で受け取り続けた。5年後に計算したら、再投資していれば追加で約22万円あったはずだと気づいた。
「投資信託って毎月お金がもらえるの?」と期待している方へ——分配金の受け取り方ひとつで、10年後の資産に100万円以上の差が出る。知らないまま「受け取り型」を選んでいる人が多いが、それは気づかぬうちにリターンを捨て続けているのと同じだ。この記事では、分配金の仕組みと「再投資型を選ぶべき理由」を具体的な数字で解説する。
1. 分配金の正体——「利益」ではなく「資産の一部」が戻ってくることも
投資信託が生み出すお金には2種類ある。①値上がり益と②分配金だ。
分配金とは、ファンドが保有する株や債券からの配当・利息の一部を投資家に渡すお金だ。100万円投資した場合、保有する数百の株式から生まれた配当金が元になる。
重要な注意点がある。分配金は必ずしも「新たな利益」ではない。元本の一部が戻ってくる「元本払戻金」が含まれる場合もある。つまり「もらった=儲かった」ではない。
「でも毎月お金が入るなら受け取った方がお得じゃ…」——100万円を年利5%の投信に入れ、毎年5万円の分配金を受け取り続けると20年後も元本100万円のまま。同じ5万円を再投資すれば20年後は約265万円。その差は165万円だ。これが複利の現実だ。
2. 再投資 vs 受け取り——20年で165万円の差が生まれる理由
分配金を受け取った場合と再投資した場合の差を具体的に見てみよう。
- 投資額:100万円
- 年利:5%(年5万円分配)
- 期間:20年
受け取り続けた場合:元本100万円+分配金累計100万円=手元200万円 再投資した場合:約265万円
差額:65万円(税金考慮なし)。さらに毎月1万円を積立て再投資すれば、この差はさらに広がる。
再投資型を選ぶべき人は「今すぐお金が必要ではない20代〜40代の資産形成層」全員だ。逆に受け取り型が向いているのは「毎月の生活費を補いたいリタイア世代」だけだ。
「でも再投資って手続きが複雑そう…」——全く逆だ。証券会社の口座で「分配金再投資型」を選択すれば、あとは自動。一切手続き不要で複利が積み上がっていく。
3. 投資信託を選ぶ3つのチェックポイント
再投資型を選ぶだけでなく、そもそも「良いファンド」を選ばないと効果が半減する。
チェックポイント①:毎月分配型より年1回分配型を選ぶ 毎月分配は見た目お得だが、元本を取り崩していることが多い。また毎月の分配再投資では手数料・税金が積み重なる。年1回分配型の方が長期的なリターンが高くなりやすい。
チェックポイント②:信託報酬が年0.5%以下のインデックスファンドを選ぶ eMAXIS Slim 全世界株式(信託報酬0.057%)や楽天・全米株式(信託報酬0.162%)が代表例。コストを下げることが、長期では最も確実なリターン向上策だ。
チェックポイント③:過去5年以上の運用実績を確認する 新しいファンドは実績不明なため、リスクが高い。5年以上の運用歴があり、設定来のリターンがプラスのファンドを選ぶ。
まとめ
分配金は「受け取る」より「再投資する」が資産形成の原則。20年で165万円以上の差が出る。今日証券口座の設定を「再投資型」に変更するだけで、あなたの資産形成は自動で加速する。
次の記事では【積立額を段階的に増やすコツ】をお伝えする。
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