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介護保険の基本と将来への備え方

28歳のとき、祖父が突然要介護状態になった。「施設ってどう探すの?」「費用はいくらかかるの?」と家族全員がパニックになり、私は何も答えられなかった。あの日から毎月5〜10万円の自己負担が始まり、年収350万円・貯金ほぼゼロだった私の家庭は文字通り追い詰められた。平均7年続く介護期間を掛ければ、420万円〜840万円が消える計算だ。知識がなかっただけで、これだけの差が生まれる。


1. 公的介護保険だけでは足りない?その実態を知ろう

公的介護保険は、40歳以上の全国民が加入し、介護が必要になった際に費用をサポートする制度だ。しかし「サポート」であり「全額補助」ではない。

厚生労働省の調査によると、介護施設の利用者が月額で負担している平均費用は約5〜15万円。訪問介護を受ける場合でも、月3〜10万円程度の自己負担が発生する。「要介護3」以上の重度介護になると、公的保険でカバーされるのは介護サービス費用の約90%に過ぎず、施設入居者の食事代・居住費は完全自己負担のため月額20万円を超えることも珍しくない。

平均寝たきり期間は約7年。84ヶ月間、毎月数万円が必要になる。月5万円で計算しても総額420万円。月10万円なら840万円だ。この現実に今すぐ向き合わなければ、準備する時間そのものが失われていく。

2. 介護保険の仕組みを理解し、払いすぎを防ぐ

介護保険の保険料は給与から自動天引きされている。会社員の平均は月6,000〜7,000円。年間7万円以上、40年間で約300万円近くを払い続ける計算だ。

ここで確認すべき重要な視点がある。公的介護保険に加えて民間の介護保険にも加入し、「二重払い」になっていないかという点だ。

多くの人が銀行や保険会社の営業員に勧められるまま、月額3,000〜8,000円の民間介護保険に加入している。しかし公的保険が約90%をカバーするため、民間保険の出番は限定的になる。

「でも民間保険に入っておかないと不安…」という気持ちはわかる。だが数字で見れば答えは出る。

賢い備え方は3ステップで完結する:

ステップ①:公的介護保険の給付内容を把握する 市区町村の窓口で、要介護認定の基準と給付内容を確認する。知らないまま払い続けるのが一番の損だ。

ステップ②:民間保険は「本当に必要か」を数字で検討する 月額保険料×払込年数を計算し、実際の介護費用と照らし合わせる。月5,000円を45年払えば総額270万円。介護費用の月5万円×84ヶ月=420万円とほぼ同等だが、貯蓄なら途中で使い道を変えられる。

ステップ③:優先順位は「貯蓄」に置く 月5,000円の保険料を貯蓄に回し、月1万円の積立に充てれば45年で540万円(利息除く)。介護費用の大部分をカバーできる上、使わなければそのまま資産になる。

「でも毎月1万円も貯蓄に回せない…」という人へ。 サブスク3〜4個の解約、外食費の月1万円削減で捻出できる。優先順位の問題であって、収入の問題ではない。

3. 20〜40代が今からできる、現実的な3つの対策

対策①:月1万円の「介護費用積立枠」を家計に作る 定期預金や投資信託で30年積み立てれば360万〜600万円が準備できる。介護費用の大部分をカバーできる金額だ。

対策②:親の介護費用負担をシミュレーションする あなたが20〜40代なら、親は50〜70代の可能性が高い。今のうちに親の預貯金・保険・年金額を把握し、不足分をどう補うか話し合っておく。突然始まる介護に「準備期間ゼロ」で臨むのが最大のリスクだ。

対策③:要介護認定の申請タイミングを学んでおく 介護が必要になってから申請すると、認定が下りるまで1〜2ヶ月かかる。その間は全額自己負担になる。申請の流れと必要書類を事前に確認しておくだけで、数十万円の差が生まれる。

「でもうちの親はまだ元気だから…」と思っているうちに準備する。 動けなくなってからでは遅い。介護は突然やってくる。


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