保険を見直して月8,000円を節約できたのに、半年後には「全然貯まっていない」と気づいた。浮いたお金を何となく使ってしまっていたのだ。半年で4.8万円、1年なら9.6万円——「節約した」だけでは1円も増えない。節約後にどこへ流すかというロードマップを持っていなければ、浮いたお金は必ず消える。保険見直しは「資産形成の入口」に過ぎず、出口まで設計して初めて機能する。
1. あなたの保険料「本当の適正額」を知る
今月、いくら保険料を払っているか即答できるか。多くの人が把握していない。給与から天引きされたり口座から自動振替されたりしているので、気づかないままになっている。
相談を受ける20〜40代の方の平均保険料は月2.7万円だ。しかし、適正な保障に必要な額は実は月1万円程度。つまり月1.7万円を「余分に」払っている可能性がある。
適正な保障額はライフステージと家族構成で決まる。独身なら掛け捨ての定期保険で月2,000〜3,000円で十分だ。共働きの子なし夫婦なら月5,000円程度、小さな子どもがいる家庭なら月8,000〜1万円がラインだ。
今の支払額がこれを上回っているなら、その差額が「見直しで浮かせられる額」だ。月5,000円浮けば年6万円、20年で120万円。これが資産形成の最初の原資になる。
「でも保険料は安ければいいというものでもないのでは…」——その通りだ。ただし「払う金額が多い=保障が充実している」ではない。重複した保障や不要な特約を外しても、必要な保障は維持できる。削るのは「無駄な支払い」であって「必要な保障」ではない。
2. 「貯蓄型保険」から「掛け捨て+投資」へシフト
保険見直しで多くの人がはまる落とし穴が「貯蓄型保険」だ。学資保険や終身保険など「お金が貯まる」と謳う保険に入っている人は多いが、利回りは驚くほど低い。典型的な学資保険の利回りは0.5〜2%程度だ。一方、投資信託の過去30年の平均利回りは5〜7%。3倍以上の差がある。
例えば月1万円を20年間払う場合、学資保険では元本240万円が250万円(利回り1.5%の場合)、投資信託では元本240万円が400万円以上(利回り5%の場合)になる。その差は150万円以上だ。
だから保険見直しの際は「貯蓄機能がついている保険」は外す判断をする。代わりに掛け捨ての安い保険で最小限の保障を確保し、浮いたお金を投資に回す。これが、20〜40代が資産を増やす最も効率的な方法だ。
「でも学資保険は子どものための大切なお金だから崩したくない…」——学資保険の目的は「大学入学時にお金を用意すること」だ。それはつみたてNISAでも達成できる。利回りが3倍以上高い手段があるのに、低利回りの保険に縛られる理由はない。「子どものため」という気持ちを、より効率的な方法で実現する。
3. 見直しで浮いたお金を「3段階」で資産形成に回す
保険を見直して月5,000円浮いたなら、そのお金の使い道を先に設計する。正しい順序は以下の3段階だ。
第1段階:緊急資金を作る まず生活費3〜6ヶ月分を普通預金に置いておく。会社の倒産、家電の故障、急な医療費——人生には予期しない支出がある。緊急資金がなければ、投資中に「急にお金が必要」となって安値で売ることになる。これを防ぐことが最優先だ。
第2段階:つみたてNISAで非課税積立 緊急資金が確保できたら、浮いた保険料をつみたてNISAに回す。月5,000円の積立なら、年利5%で20年後に元本120万円が約200万円になる計算だ。利益に税金がかからないため、通常の投資よりも手取りが多くなる。
第3段階:iDeCoで老後資金も並行して積立 さらに余裕が出たらiDeCoを追加する。掛け金が全額所得控除になるため、節税効果が大きい。月1万円のiDeCoで、年収400万円の人なら年間約2万円の節税になる。
今日できる最小アクション
保険を見直して浮いたお金(または浮かせる予定の金額)を「どこに回すか」を今日メモする。 「つみたてNISAに月5,000円回す」と書くだけでいい。ロードマップを紙に書いた人と書かなかった人では、1年後の結果が変わる。
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