「3,800万円まで借りられます」と銀行に言われたとき、正直舞い上がりました。29歳の私は、その数字が「返せる額」ではなく「貸してもいい額」だということを知りませんでした。自分で逆算したら無理なく返せるのは2,100万円が限界でした。この差を知らなければ、家計を破綻させていたかもしれません。
問題:銀行の「借入可能額」を鵜呑みにする危険性
銀行が提示する借入可能額は、融資基準上の上限です。多くの銀行が使う「返済負担率」という指標では、年収に対して返済額が30〜35%以内に収まる金額を目安にしています。
年収500万円なら、年間返済額が150〜175万円(月12.5〜14.6万円)まで借りられる計算になります。
しかしここに落とし穴があります。この計算には、生活費・教育費・車のローン・保険料など、実際の支出が一切反映されていません。銀行の基準は「最大限いくら貸せるか」という視点であり、あなたの生活の質や将来の安心を考慮していないのです。
「銀行が貸してくれる額まで借りれば問題ない」という誤解
「審査が通った金額なら返せるはずだ」と思う人は多いです。しかし、審査が通ることと、無理なく返せることは別の話です。
年収500万円でも、子どもが3人いる家庭と子どもがいない家庭では生活費が大きく違います。月12万円の返済が可能かどうかは、残りの生活費で暮らせるかどうかにかかっています。
「ローンを組んだら生活がカツカツになった」「子どもの教育費が捻出できなくなった」という話は珍しくありません。銀行は融資後の生活の苦しさに責任を持ちません。
解決策:「無理のない返済額」を3ステップで逆算する
ステップ1:手取り月収を確認する
額面ではなく「手取り」から考えます。年収500万円なら、手取りは月32万円程度です。
ステップ2:生活費を可視化する
現在の家計から以下を把握します。
- 食費・光熱費・通信費などの基本生活費
- 子どもの教育費
- 車の維持費(ローンがあれば含む)
- 保険料
- 毎月の貯蓄目標額(最低3〜5万円)
手取り32万円で生活費が22万円なら、残りは10万円です。
ステップ3:返済可能額を決める
残った10万円から、固定資産税・管理費・修繕費の積立(月2〜3万円)を引くと、ローン返済に充てられるのは月7〜8万円が限度です。
35年ローン・金利2%で月7万円返済できる借入額は約2,100万円です。銀行が「3,800万円貸せる」と言っても、自分の家計から逆算すれば2,100万円が現実的な上限という結論になります。
行動:人生設計を組み込んだ返済プランを作る
借入額が決まったら、次は「人生でお金が必要な時期」を意識したプランニングが必要です。
35歳で2,000万円のローンを組めば、完済は70歳です。その間に子どもの大学費用、親の介護、自分たちの老後資金が必要になります。住宅ローンだけに集中していると、他の人生資金が枯渇するリスクがあります。
今すぐやること:月の手取りと生活費を書き出し、住宅ローン返済に回せる金額を計算してください。その金額が月7万円なら、35年・金利2%で約2,100万円が上限です。この数字を持って銀行や不動産会社と話すと、「借りられる額」ではなく「返せる額」に基づいた交渉ができます。
銀行の提示する数字ではなく、自分の家計から逆算した数字を判断基準にする。これが住宅購入で後悔しない最初の一歩です。
明日の内容は「住宅ローン審査に通るための事前準備」についてお話しします。お楽しみに!