29歳のころ、私のスマホに「月3万円の家賃収入が手に入ります」という広告が届いた。なんとなく申し込んだ無料相談会で、営業マンは「今買わないと損です」「この物件はすぐ売れます」「ローンが通るうちに早く」と畳み掛けてきた。気づいたら契約書を手渡されていた。「ちょっと待ってください」と席を立ち、帰ってから調べると、その会社は過去に行政処分を受けていた。もしあの日サインしていたら、数百万円の頭金と毎月の赤字ローンを抱えた可能性がある。
不動産投資詐欺の主な手口
不動産投資詐欺は毎年巧妙化している。警察庁のデータでは、投資詐欺の被害総額は年間数百億円規模に達しており、20〜40代の現役会社員が多く被害を受けている。
代表的な手口を知っておく:
手口1:サブリース詐欺 「家賃保証付き」「30年間家賃収入が保証される」というセールストークで契約させ、数年後に一方的に保証賃料を引き下げる。法律上、契約更新時に家賃変更の申し出は可能であり、「保証」が永続しないケースがほとんどだ。
手口2:高利回り偽装 表面利回り15%と謳いながら、実際は空室が多く実質利回りはマイナス。購入後に空室が続き、毎月持ち出しになる。
手口3:二重売買・架空物件詐欺 存在しない物件や、他の人にも同時に売られている物件の手付金を詐取するパターン。
手口4:節税詐欺 「不動産投資で節税できる」とうたい、実際には節税効果がほとんどない高額物件を購入させる。サラリーマンが不動産投資で節税できる場面は限定的だ。
詐欺を見分ける3ステップ
ステップ①:接触してきた時点でまず疑う
| チェック項目 | 危ないサイン |
|---|---|
| 勧誘の方法 | SNSや電話で突然アプローチ |
| 契約の急かし方 | 「今日決めないと損」と急かす |
| 利回りの説明 | 表面利回りしか説明しない |
| 物件の所在 | 現地を見せたがらない |
| 会社の登録 | 宅建業の免許番号がない |
| 過去の処分 | 行政処分歴を調べると出てくる |
| 担当者の態度 | 断ると豹変する |
ステップ②:国土交通省のデータベースで業者を調べる 宅建業者免許の確認は「ハトマーク」サイトで免許番号を検索できる。行政処分歴も同じデータベースで調べられる。これだけで怪しい業者の大半は弾ける。
ステップ③:契約書は必ず持ち帰り、翌日以降に判断する 「持ち帰って確認させてください」という一言に強く抵抗する業者は、それだけで怪しいと判断していい。宅地建物取引業法に基づく8日間のクーリングオフが適用可能かも必ず確認する。
「でも本当に良い物件はすぐ売れてしまう…」というプレッシャーをかけてくる業者に注意。 本当に良い投資機会なら、冷静に検討する時間を与えてくれる。「今日決めないと損」は詐欺の常套句だ。
「でも相談できる人が周りにいない…」という人へ。 相談する相手は「その物件を売りたいと思っていない人」であることが条件だ。ファイナンシャルプランナー(FP)に相談する際も、不動産会社との提携がないFPを選ぶ。