毎月ドラッグストアで市販薬を買い続けていた32歳の私。風邪薬・胃薬・目薬だけで年間2万8,000円使っていたのに、税制上の控除が受けられると知ったのは翌年の春でした。その年の申告には間に合わず、取り戻せたはずの約3,200円が消えました。
ドラッグストアのレシートを毎回捨てていませんか?年間1万2,000円以上の市販薬を購入している人は、申告するだけで税金が戻ってきます。仕組みを知らないだけで毎年損し続けています。今すぐ確認してください。
1. セルフメディケーション税制の2つの条件と控除の仕組み
セルフメディケーション税制は2017年1月に始まった制度で、自分で市販薬を購入した人の所得を控除する国の優遇制度です。
条件は2つだけです。1つ目は年間1万2,000円以上の対象医薬品を購入すること。2つ目は健康診断や予防接種など「一定の健康診査」を受けていること。会社の健康診断を受けていれば、2つ目の条件は既にクリアしています。
対象医薬品は風邪薬、胃腸薬、目薬、湿布、鼻炎薬など、ドラッグストアで一般的に販売されている医薬品のほとんどです。パッケージに「セルフメディケーション税制対象医薬品」と記載されています。ビタミン剤やサプリメントは対象外です。
控除額は「購入額 - 1万2,000円」で計算されます。年間3万円購入していれば1万8,000円を所得から控除できます。税率20%なら約3,600円が戻ってきます。
2. 医療費控除との違いと、どちらが得かを判断する基準
似た制度に「医療費控除」があります。2つを混同すると損をします。
医療費控除は、医師の診察費・処方薬・入院費など医療全般の費用が対象で、年間10万円以上から控除可能です。一方、セルフメディケーション税制は医者に行かず自分で市販薬で対処した費用が対象です。年間1万2,000円というハードルの低さが最大の違いです。
重要なのはこの2つは同時に使えないという点です。どちらか一方を選びます。年間医療費が10万円を超える人は医療費控除が有利です。医療費は少ないが市販薬をよく買う人は、セルフメディケーション税制が有利です。
判断の目安として、市販薬購入額が年間3万円で医療費が5万円の場合、セルフメディケーション税制で1万8,000円控除できます。医療費控除は10万円に達していないため使えません。セルフメディケーション税制の選択が確実です。
「でも自分がどちらに該当するかよくわからない…」という方へ。1年分の市販薬レシートと医療費の領収書を合計するだけで即座に判断できます。10万円に届かないなら、市販薬の合計が1万2,000円を超えているかを確認してください。
3. 今から始める3ステップの準備と手続き
ステップ1は健康診査の受診確認です。会社の健康診断、市区町村の健診、人間ドック、予防接種のいずれかを今年中に受けてください。ほとんどの社会人は既にクリアしています。
ステップ2はレシートの保管です。市販薬を買ったらレシートを捨てない。スマホで写真を撮っておけば紛失リスクがなくなります。1年分のレシートを集めます。領収書には「購入日・金額・医薬品名」が記載されていることを確認してください。
ステップ3は確定申告への記載です。翌年1月から3月の確定申告期間に、確定申告書第一表の「セルフメディケーション税制の金額」欄に購入額を記入します。レシートと領収書を添付して提出すれば完了です。
「でも確定申告の書類作成が難しそう…」という方へ。国税庁の確定申告書作成コーナーを使えば、金額を入力するだけで自動計算されます。手続きは30分で終わります。
次の記事では【扶養控除の条件と家族構成による最適戦略】をお伝えする。