これは、「不動産投資で節税できる」という話を聞いて興味を持った人のための話だ。
会社の先輩が「マンション1室持つだけで毎年15万円税金が戻ってきてる」と自慢していた。確かに不動産投資には税メリットがある。でもその先輩、5年後に物件を売ったときに「売却益に40%の税金がかかった」と青ざめていた。入口の節税だけ見て、出口の税負担を計算していなかった典型例だ。
知らないと、売却時に数百万円が吹き飛ぶ
2,000万円の物件を購入して毎年40万円を減価償却費として経費計上し、10年間で400万円を節税したとする。
しかし売却時に注意が必要だ:
- 所有5年以下で売却すると、売却益に対して**39.63%**の税金がかかる
- さらに過去に計上した減価償却費400万円分が売却所得に加算される
「節税した400万円が売却時に丸ごと戻ってくる」ような感覚になることもある。これを知らずに始めると「節税したはずなのに、なぜかお金が減った」という事態になる。
3ステップで正しく判断する
ステップ1:購入前に必ず税理士に相談する 「だいたい節税になりそう」という感覚で物件を買うのは危険だ。購入価格・ローン条件・想定利回り・売却時期を伝えれば、5年・10年後の税金シミュレーションをしてくれる。初回無料の税理士事務所も多い。
ステップ2:5年超の保有を前提に計画する 所有期間が5年を超えると、売却時の税率が39.63%から20.315%に下がる。この差は大きい。物件購入は「5年は売らない」前提で考える。
ステップ3:帳簿・領収書を毎年きちんと整理する 管理費・修繕費・ローン利息など、経費として計上できるものは正確に記録する。領収書を捨てると、後から経費の証明ができなくなる。
「税金メリットがあるなら、とにかく買いたい」という方へ。 不動産投資は税メリットだけで判断してはいけない。空室リスク、修繕費、管理手間、そして売却時の税負担まで含めて試算すると、「思ったより利回りが低い」物件は多い。まずは数字の全体像を見てから判断することが必須だ。
今日からできる最小アクション
近くの税理士事務所の無料相談を予約する。 「不動産投資を検討しているが、税金面でのメリット・デメリットを教えてほしい」と伝えれば、自分の年収・状況に応じた試算を出してもらえる。物件を買う前の相談が一番大事だ。
「不動産投資は金持ちがやるもの」という方へ。 不動産投資は300〜500万円の頭金があれば始められるケースも多い。ただし、そのお金が生活防衛資金や他の投資資金とバッティングしないよう計画を立てる必要がある。金額の多寡より「自分のポートフォリオ全体でどう位置づけるか」が重要だ。
「不動産なら価値がなくならないから安心」という方へ。 不動産の価値は立地・築年数・市況によって大きく変動する。2,000万円で買った物件が15年後に1,200万円にしかならないケースは珍しくない。物件の価値は「持っているだけで保たれる」ものではない。
次の記事では「暗号資産の税金計算の基本ルール」を解説する。不動産とは全く異なる税制が適用される暗号資産の、見落としがちな課税タイミングとその対策をお伝えする。