29歳のころ、友人に「今が底だから一気に買え」と勧められてボーナス30万円を投資信託に一括投資した。翌月株価が急落し、評価額が23万円まで下がった。7万円が溶けたストレスで夜中に売却ボタンを押そうか何度も迷った。あのとき「毎月少しずつ買い続ける」手法を知っていれば、あんな思いはしなかった。
放置した損失だけではない。一括投資のプレッシャーで投資をやめてしまう人も多い。「高値で買ってしまったかもしれない」という不安が継続の邪魔をする。その機会損失を30年単位で計算すると、数百万円規模になる。
ドルコスト平均法とは何か? 3行で理解する
ドルコスト平均法とは、価格に関わらず毎月同じ金額を買い続ける投資手法だ。
具体的な数字で見てみよう。毎月1万円で投資信託を購入する場合:
| 月 | 基準価額 | 購入口数 |
|---|---|---|
| 1月 | 1,000円 | 10口 |
| 2月 | 800円(下落) | 12.5口 |
| 3月 | 1,200円(上昇) | 8.3口 |
| 合計 | ― | 30.8口 |
3万円を3回に分けて投資した結果、30.8口を取得できた。もし1月に3万円を一括投資していたら30口しか買えなかった。安いときに多く買えて、高いときに少ししか買わない。これが自動的に起きるのがドルコスト平均法の本質だ。
なぜ価格変動リスクが下がるのか?
「リスク」の本来の意味は「価格のブレ幅」だ。ドルコスト平均法はこのブレ幅の影響を「平均化」することで吸収していく。
100万円を一括投資した翌日に株価が20%下落したら、評価額は80万円になる。精神的ダメージは相当大きい。でも同じ100万円を毎月1万円ずつ100ヶ月かけて投資していれば、途中で下落しても「今月は安く買えた」と気持ちを切り替えられる。
心理的な安定が、長期継続を可能にする。これがドルコスト平均法の最大の価値だ。
過去20年の日経平均を使ったシミュレーションでは、一括投資より毎月積立の方が「最終的な損失リスクが低くなる」ケースが多い。特に下落相場の途中から始めた場合、毎月積立の方が回収が早い傾向がある。
「でも相場が下がっているときに買い続けるのは怖い…」と感じた方へ。下落時こそ同じ1万円でより多く口数を買えている状態だ。積立を止めることが最大のリスクで、継続こそが最強の戦略だ。
自動化するための3ステップ
ステップ1:ネット証券(SBI・楽天など)でNISA口座を開設する
ステップ2:毎月の積立額を決める(手取りの5〜10%が目安)
ステップ3:積立日と引き落とし口座を設定して放置する
私が実際にやっているのは、毎月25日に給与口座から証券口座へ自動振込し、26日に積立投資信託が自動購入される流れだ。一切手動操作しない。
「でも毎月同じ額を買い続けるだけって本当に効果があるの…」と疑問に思った方へ。毎月1万円を年利6%で10年間積み立てると、元本120万円が約164万円になる試算だ。特別なことは何も要らない。毎月同じ日に同じ金額を買い続けるだけでいい。
注意点:
- 「相場が下がったから一時停止」はNG。下落時こそ安く買えるチャンスだ
- 短期(1〜2年)では効果が見えにくい。5年・10年単位で見ることが大前提
まとめ
- ドルコスト平均法は「毎月同じ金額を買い続ける」だけのシンプルな手法
- 価格が下がったときに多く買えるため、平均購入コストが自然と下がる
- 一括投資より心理的ストレスが少なく、長期継続しやすいのが最大のメリット
次の記事では【投資信託の選び方。信託報酬に注目する理由】をお伝えする。
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