28歳のとき銀行の窓口でNISAの相談をした。担当者に勧められたファンドの信託報酬は「年1.5%」だった。「これがスタンダードなんだ」と思い購入寸前まで行ったが、帰宅後に調べてみたら同じ投資対象のネット証券のファンドが「年0.1%」で売っていた。15倍の差だ。あのとき窓口で書類を書いていたら、30年後には数十万円を手数料として余分に払っていた計算になる。
実際に数字で確認すると衝撃的だ。信託報酬0.1%と1.5%の違いが、20年後に37万円もの差を生む。毎月の積立額が増えればこの差はさらに大きくなる。知らないまま放置した人が払い続ける見えないコストがこれだ。
信託報酬0.1%と1.5%では20年後にいくら違う?
信託報酬とは、投資信託を保有している間ずっとかかるコストのことだ。年率で表示され、毎日少しずつ自動的に差し引かれる。
100万円を20年間・年利5%で運用した場合の試算:
| 信託報酬 | 20年後の資産 | 手数料の累計(概算) |
|---|---|---|
| 年0.1% | 約261万円 | 約4万円 |
| 年0.5% | 約248万円 | 約17万円 |
| 年1.5% | 約224万円 | 約49万円 |
0.1%と1.5%の差は、20年後に37万円になる。信託報酬は「小さな数字」に見えて、複利で増える長期投資では致命的なコストになりうる。
「でも信託報酬が高い方がプロが運用してくれるから良いんじゃないの…」と感じた方へ。アクティブファンド(プロが銘柄選択するタイプ)は信託報酬が高いが、長期では低コストのインデックスファンドの方が好成績を出すケースが多い。コストを払っても成績が伴わない商品に20年間お金を預け続けることになる。
低コストファンドを見つける方法は?
答えはシンプルで「インデックスファンドを選ぶ」これだけだ。
インデックスファンドとは、日経平均やS&P500などの指数に連動することを目指すファンドのこと。ファンドマネージャーが個別銘柄を選ぶ手間がいらないためコストが圧倒的に低い。
代表的な低コストファンドの信託報酬一覧:
| ファンド名 | 投資対象 | 信託報酬(年) |
|---|---|---|
| eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) | 世界全体 | 0.05775% |
| eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 米国大型株 | 0.09372% |
| SBI・V・S&P500 | 米国大型株 | 0.0638% |
| 楽天・全米株式インデックスファンド | 米国全体 | 0.162% |
年0.2%以下のファンドを選べばまず間違いない。年0.5%を超えるファンドはよほどの理由がない限り選ばなくていい。
ファンド選びで確認すべき3つのポイント
ポイント1:購入手数料(販売手数料)はゼロか
ネット証券ではほぼ無料(ノーロード)だが、銀行窓口では購入時に1〜3%の手数料を取られることがある。10万円購入で最大3,000円が一発でかかる計算だ。ノーロードのファンドを選ぶのが基本だ。
ポイント2:純資産総額は100億円以上か
少なすぎると運用が終了(繰上償還)するリスクがある。有名な低コストインデックスファンドは数千億〜数兆円規模があるので安心だ。
ポイント3:運用年数は3年以上あるか
設定から年数が浅いファンドは実績が少ない。3〜5年以上の運用実績があると、ベンチマーク(指数)との乖離具合などを確認できる。
「でも商品が多すぎてどれを選べばいいかわからない…」と感じた方へ。eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)一択で始めて問題ない。信託報酬・純資産・運用年数のすべてで合格点を超えている。迷いすぎて始められないことが最大の損失だ。
まとめ
- 信託報酬は毎年かかるコストで、0.1%の違いが20年後には数十万円の差になる
- 低コストのインデックスファンドを選べば、信託報酬は年0.1%以下に抑えられる
- 購入手数料・純資産総額・運用年数の3つも合わせて確認するのが選び方の基本
次の記事では【eMAXIS SlimとSBI・Vシリーズの比較】をお伝えする。
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