29歳のとき、同僚に勧められた「eMAXIS Slim」シリーズを調べていくうちに、より信託報酬が安い「SBI・V」の存在を知った。「どっちにすればよかったんだ」と1週間悩んだ。積立額は月3万円だったので、30年間の差額を計算してみると約3万円だった。悩んでいた時間の方がよほど損だった。
「どちらを選ぶか」で迷って行動を止めることが最も損失を大きくする。1ヶ月積立を遅らせた場合、年利5%の試算で30年後には約5万円の機会損失が発生する。悩む時間はコストだと認識する必要がある。
eMAXIS Slimの3つの強みとは?
eMAXIS Slim(スリム)は三菱UFJ国際投信が提供する投資信託シリーズで、「業界最低水準の手数料を維持する」という方針を掲げている。他社がより安いファンドを出したら追随して値下げするという方針で、実際に信託報酬が数回引き下げられている。
主なラインナップと信託報酬:
| ファンド名 | 信託報酬(年) | 投資対象 |
|---|---|---|
| 全世界株式(オール・カントリー) | 0.05775% | 世界約3,000社 |
| 米国株式(S&P500) | 0.09372% | 米国大型500社 |
| 先進国株式インデックス | 0.09889% | 先進国中心 |
| バランス(8資産均等型) | 0.143% | 株・債券・不動産 |
純資産総額が非常に大きく(オール・カントリーは2兆円超)、運用の安定性という意味でも安心感がある。
SBI・Vシリーズの特徴と信託報酬の差
SBI・Vシリーズは、SBIアセットマネジメントがバンガード社のETFに投資する形で運用するファンド群だ。バンガードは世界最大級の低コスト運用会社で、「投資家本位の運用」を創業理念にしている。
主なラインナップと信託報酬:
| ファンド名 | 信託報酬(年) | 投資対象 |
|---|---|---|
| S&P500インデックスファンド | 0.0638% | 米国大型500社 |
| 全世界株式インデックスファンド | 0.1338% | 世界全体 |
| 米国高配当株式インデックスファンド | 0.1238% | 米国高配当銘柄 |
S&P500に関してはSBI・VがeMAXIS Slimより信託報酬が低い。ただし運用開始から比較的年数が浅いため、純資産総額はeMAXIS Slimより小さい。
「でもどちらを選んでも正直よくわからない…」と感じた方へ。使っている証券会社で選んで問題ない。SBI証券ならSBI・V、楽天証券ならeMAXIS Slim、どちらでもシームレスに使いやすい方が長続きする。
30年で差額は3万円だけ。どちらを選べばいい?
毎月3万円を30年積み立てると仮定した場合、S&P500に投資するなら:
- eMAXIS Slim S&P500(0.09372%):手数料累計 約9万円
- SBI・V S&P500(0.0638%):手数料累計 約6万円
差額は3万円程度。30年間の差が3万円なら、誤差の範囲と言っていい。
むしろ重要なのは「選んだら変えない」ことだ。途中でどちらかに乗り換えると、売却→購入のタイミングで非課税枠のロスが生じる可能性がある。
「でも後から後悔したくないから完璧な答えを知りたい…」と感じた方へ。「完璧なファンド」を探し続けて3ヶ月積立を遅らせる方が、どちらを選んだかより大きな損になる。どちらかを選んで今日から積立を始めることが最善だ。
選び方のシンプルな指針:
- SBI証券を使っているなら → SBI・Vシリーズ
- 楽天証券を使っているなら → eMAXIS Slim
- どちらでも使える口座なら → コイン投げで決めていい
まとめ
- eMAXIS Slimは業界最低水準の信託報酬を維持する方針で、純資産規模も大きく安定感がある
- SBI・VシリーズはS&P500の信託報酬でeMAXIS Slimより低いが、純資産規模はやや小さい
- 実際の差額は30年でも数万円程度なので、口座との相性で選んで問題ない
次の記事では【全世界株式と米国株式どちらを選ぶべきか】をお伝えする。
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