30歳のとき、投資仲間の集まりで「全世界にするか米国だけにするか」という議論になった。米国派の友人は「アメリカが強い、歴史が証明している」と言い、全世界派の私は「集中リスクが怖い」と言い張った。その後5年で私は全世界株式を毎月積み立て、友人は米国株式を積み立てた。5年後の成績は友人の方が少し上だったが、私は値下がり時のストレスが少なかった分、一度も売らずに継続できた。どちらを選ぶかで年間リターンが2〜3%違ってくる。10年間では数十万円の差になる可能性がある選択だ。
米国株式を選ぶ理由と実績
米国株式への投資が支持される最大の理由は、過去の実績だ。
| 指数 | 過去10年平均(円換算) | 過去30年平均(円換算) |
|---|---|---|
| S&P500(米国) | 約17〜18%/年 | 約11%/年 |
| 全世界株式(MSCI ACWI) | 約14〜15%/年 | 約9%/年 |
毎月1万円を30年積み立てた場合:
- 年利11%(米国想定):約2270万円
- 年利9%(全世界想定):約1820万円
差額は約450万円。無視できない数字だ。
「でも米国株が今後も強い保証はないんじゃ…」という疑問は正しい。日本株も1980年代には「最強」と言われていた時期がある。過去の実績が未来を保証しないという事実は忘れてはいけない。
全世界株式を選ぶ理由
全世界株式は、米国約60%・ヨーロッパ約20%・日本・新興国などを組み合わせて世界全体に分散投資する。
全世界株式のメリット:
- 特定の国・地域への集中リスクを避けられる
- 米国経済が低迷しても他の国が補える
- 値動きが相対的に穏やかで長期継続しやすい
2008年のリーマンショック時は米国株式が約50%下落した一方、全世界株式は約43%の下落で済んだ(いずれも円換算)。「下がり幅が小さい」ことが長期投資で重要なのは、暴落時に狼狽売りしないためだ。精神的に余裕があれば、買い増しもできる。
どちらを選ぶべきか、判断する基準
観点1:投資期間
- 20代・30代で20年以上 → 米国株式でも十分耐えられる
- 40代後半以降・10〜15年程度 → 全世界株式でリスクを抑える
観点2:値下がりへの耐性
- 「20%下がっても気にしない」 → 米国株式でリターンを狙う
- 「下がると不安で売りたくなる」 → 全世界株式で精神的安定を取る
観点3:考え方のシンプルさ
- 「アメリカが今後も強い」と確信があれば → 米国株式
- 「よくわからないから広く分散したい」 → 全世界株式
実際のところ、全世界株式の約60%はすでに米国株だ。「全世界株式を買えば米国の成長にも乗れている」という考え方もできる。迷ったら全世界株式を選んでおけば、そこまで間違いにはならない。
今日できる最小アクション: 上記の3つの観点(投資期間・値下がり耐性・考え方)を自分に当てはめて、全世界か米国かを今日中に決める(5分)。決めたら積立設定を変更する。