株の評価額が毎日下がっていく。SNSには「もう終わり」「早く売れ」という投稿が溢れ、自分の判断が正しいのか間違っているのかわからなくなる。「少しでも損が少いうちに売った方がいいのか」と、スマホを握ったまま眠れない夜が続く。
2020年3月のコロナショックで日経平均は約30%下落した。恐怖に負けてそのとき売った投資家は損失を確定させた。3ヶ月後に株価はほぼ回復し、12ヶ月後には過去最高値を更新した。「最安値で売って、高値で買い直す」という最悪のパターンが、感情に従った投資家の現実だった。その損失は、100万円の投資なら30万円・50万円という規模になる。
ステップ1:暴落時は「積立を止めない」ことだけを守る
積立投資の最大の強みは、暴落時にこそ発揮される。毎月3万円を積み立てているなら、株価が下がっている月も同じ3万円を入金する。これだけでいい。
| 月 | 株価 | 月3万円で買える口数 |
|---|---|---|
| 通常時(1口1,000円) | 1,000円 | 30口 |
| 暴落時(1口700円) | 700円 | 約42口 |
暴落時に積み立てを続けることで、平均購入単価が下がる。回復局面でその差が利益に変わる。これがドルコスト平均法の力であり、暴落を「割安に買えるチャンス」に変換する唯一の仕組みだ。
「でも今の暴落は過去と違う。今度は回復しないかもしれない…」 過去の全ての暴落でも、同じことが言われてきた。リーマンショック、東日本大震災、コロナショック——どの局面でも「今回は違う」と言われ、どの局面でも株価は回復した。歴史が証明している事実に反論する根拠はない。
ステップ2:暴落前に「現金クッション」を作っておく
暴落時に感情的な売却が起きる最大の理由は「生活費が必要になったとき」だ。手元に現金がなければ、下がり続ける株を泣く泣く売るしかなくなる。
生活費の3〜6ヶ月分(一般的に60〜150万円)を投資資金とは別に現金で確保しておく。この現金があれば、株が半値になっても「生活費のために売る」必要がなくなる。精神的な余裕が、感情的な売却を防ぐ最大の防壁になる。
「現金を確保してから投資を始めようとしているが、いつまで経っても始められない…」 まず手取り収入の3ヶ月分を目標に設定する。その金額が口座にある状態で、追加で入ってくる余剰資金から積立を始める。完璧な状態を待つより、少額でも始める方が長期では有利だ。
ステップ3:投資ルールを文章で「事前に」決めておく
暴落が来た後に「売るか持つか」を判断しようとすると、感情が判断を支配する。事前にルールを決めて書き留めておくことで、暴落時に「ルール通りに動く」だけにできる。
書くべき内容はシンプルだ。「◯年間は売らない」「資産の◯%以上下落しても売らない」「積立は毎月◯円で継続する」この3項目だけ。スマホのメモでもノートでもいい。暴落が来たときに見返す場所に保存しておく。
今日できる最小アクション
今日、スマホのメモに「暴落時のルール」として「積立は止めない」「生活費◯ヶ月分の現金は使わない」の2行を書いて保存する。
暴落は必ずまた来る。準備してある人と、そのたびに「どうしよう」と悩む人では、10年後の資産に数百万円の差が生まれる。
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