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お金と、少しずつ仲良くなる
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終身保険の罠と正しい活用シーン

「終身保険は一家に一本必要だ」という義理の叔父の言葉に背中を押されて、29歳のとき月1万5,000円の終身保険を契約した。3年間で54万円を払い込んだ後、インデックスファンドと比較して計算した。同じお金を年利4%で運用していれば約57万円になっていた。終身保険の実質利回りは約0.8%。その差を知ったとき、後悔というより怒りに近い感情が湧いた。


終身保険の「貯蓄機能」はほぼ幻想

「解約返戻金があるから得」という説明は、数字を隠した話だ。

加入時の年齢月額保険料30年後の解約返戻金支払総額実質利回り
30歳1万5,000円約520〜540万円540万円約0〜0.8%

同じ月1万5,000円を年利3%で30年複利運用すると、元本540万円が約873万円になる。差額は330万円以上だ。終身保険に入れていたことで、この330万円分の機会損失が生じる計算になる。

さらに、インフレを年2%と仮定すると、30年後の540万円の購買力は今の300万円程度になっている可能性もある。「元本保証」の価値は、物価の上昇とともに実質的に目減りしていく。


「でも一生涯の保障があるから安心では」という反論への答え

「掛け捨ては期間が終わったら保障がなくなるが、終身保険は死ぬまで続く」という声はある。確かに事実だ。

ただ、「一生涯の保障が必要かどうか」を考えてほしい。子どもが独立し、住宅ローンが完済した後、あなたの死亡保障は誰を守るためのものか。老後は資産が一定以上あれば保険なしでも家族を守れる。「一生涯続く安心感」のために月1万5,000円を30年払うコストは、330万円超の機会損失として現れる。


終身保険が本当に役立つ「限定的な4ケース」

終身保険が機能する場面は確かに存在する。

① 相続税対策が必要な資産家:死亡保険金には「500万円 × 法定相続人の数」の非課税枠がある。純資産数千万円以上の資産家には有効な手段だ。ただし、一般的なサラリーマンには無縁の話だ。

② 自営業者で遺族年金がない人:会社員には遺族厚生年金があるが、自営業者にはない。家族を守る手段として、掛け捨てとの組み合わせで終身保険を検討する余地がある。

③ 持病があり他の保険に入れない人:健康上の理由で定期保険や医療保険の審査が通らない場合、終身保険が「入れる保険」として機能することがある。

④ 障害を持つ家族の生涯の生活費を確保したい人:長期にわたって確実に保険金が出る仕組みが必要な場合、終身保険の確実性に価値がある。

一般的な健康な会社員には、①〜④のどれも当てはまらないことが多い。


今月から実行できること——保険の整理術

  1. 保険証券を全部引っ張り出す(30分):月額・保障額・満期の有無・加入年数を一覧にする
  2. 必要な保障額を自分で計算する:day122の計算式で「今本当に必要な金額」を数字で出す
  3. 掛け捨て定期保険への切り替えを検討する:同じ保障額なら、終身保険より月々の保険料は圧倒的に安くなる

今週できる最小アクション

終身保険に加入している場合、「解約したら今いくら戻ってくるか」を保険会社に電話1本で確認する。その数字と残り払込総額を比べてから、切り替えを検討する。


これは「現在終身保険に加入していて、本当に必要かどうかを検討している人」に向けた内容だ。上の4ケースに当てはまる人は、一概に解約が正解とは言えないので、専門家への相談も検討してほしい。

次回は「学資保険より賢い教育費の準備方法」。子どもの将来を考えるなら、学資保険より断然効率的な方法がある。


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