28歳のとき、先輩から「東京近郊の一棟アパートを2,000万円で買って、月15万円の家賃収入がある」と聞いた。年収350万円の私には夢のような話に見えた。しかし先輩に詳細を聞くと、固定資産税・管理費・保険・修繕費積立・空室分を合計すると年間83万円のコストがかかり、手残りは年97万円だった。「利回り9%」の物件の実質は4.85%だったのだ。
「利回り9%」の真実、実際の手残りはいくらか
東京近郊2,000万円のアパート、月15万円・年間180万円の家賃収入。表面利回り9%に見える。しかし固定資産税20万円・管理費15万円・火災保険10万円・修繕費積立20万円・空室損失(10%想定)18万円で計83万円が消える。手残りは年97万円。実質利回り4.85%だ。さらに融資を受けていれば金利負担でもう1〜2%目減りする。
「でも定期預金より高いから問題ないのでは…」という感じた方へ。定期預金との比較は正しくない。一棟アパートには定期預金にない3つのリスクがある。空室リスク(日本の空き家率は15%超)、大規模修繕の突然の出費(300〜500万円)、流動性の低さ(売却に3〜6ヶ月+仲介手数料6%)だ。これらを考慮すると4.85%のリターンは割に合わない場合が多い。
一棟アパート投資で失敗しないための3条件
条件1:自己資金が物件価格の20〜30%ある
2,000万円の物件なら400〜600万円の自己資金が必要だ。これを下回る状態で始めると、空室や修繕が重なった瞬間に資金が尽きる。
条件2:実質利回りを自分で計算している
(年間家賃収入×0.9)-(固定資産税+管理費+保険料+修繕積立)を物件総購入価格で割る。この実質利回りが4%未満の物件はリスクに見合わない。
条件3:15〜20年の長期運用を前提にしている
「でも5年で売却して利益を出したい…」という感じた方へ。5年以内の売却は譲渡所得税が約39.6%かかる。5年超なら約20.3%に下がる。短期売却前提の不動産投資は税引き後のリターンが大幅に落ちる。長期保有前提でなければ始めるべきではない。
今すぐやる1つの行動
物件情報サイトで一棟アパートを1件選び、年間家賃収入から固定資産税・管理費・保険・修繕積立・空室10%分を引いた実質利回りを計算する。表示されている表面利回りとどれだけ差があるかを体感することが、正しい判断基準を身につける最初の一歩だ。
次の記事では【不動産投資ローンと住宅ローンの違い】をお伝えする。