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空室リスクを最小化する立地選びの基準

「物件を選ぶな、場所を選べ」——30歳のとき読んだ不動産投資本の一節だ。当時はピンとこなかったが、後になって腑に落ちた。立地選びを間違えれば、築浅でれいな物件でも空室は埋まらない。空室が続けば家賃収入はゼロで、ローンだけが残る。月10万円のローンで空室が6ヶ月続けば60万円の損失だ。物件の外観や設備の前に、立地の数字を検証することが不動産投資の最優先事項だ。


駅距離と人口流入を数字で見極める

不動産投資の基本は「人が集まる場所に物件を置く」ことだ。国土交通省の調査によれば、駅から徒歩10分以内の物件と11〜20分の物件では、入居決定率に約15%の差が出ている。東京の場合、徒歩15分を超えると家賃相場が急速に低下し、競争力が落ちる傾向がある。

注意が必要なのは、駅の「質」だ。急行が停まる駅と各駅停車のみの駅では集客力が大きく異なる。近年の人口減少社会では、地域全体の人口推移も重要だ。国立社会保障・人口問題研究所のデータで、向こう10年の人口増減を必ず確認する。

都心から30km以上離れた地域でも、地元企業の拠点や大学があれば安定した入居が期待できる。検討している物件の周辺に、人口を支える「産業」や「教育機関」があるかを調べる。

「でも駅近は物件価格が高くて利回りが下がるのでは…」——その通りだ。ただし、空室リスクを考慮した実質利回りで比較すると、駅近の利回りが上回るケースが多い。駅遠で表面利回り8%でも、空室率20%なら実質6.4%だ。駅近で表面利回り5%、空室率3%なら実質4.85%と大差ない。空室率込みで計算してから比較する。

競合物件との差別化ポイントを調査する

同じ駅周辺に新築マンションが複数ある場合、古い物件は空室リスクが高まる。しかし、競合と比べて割安なら価格競争力で勝てる。

具体的な調査方法は、同地域の同規模物件の家賃相場を3〜5件比較することだ。SUUMOやホームズで「駅から同じ距離」「築年数が近い」「間取りが同じ」物件の家賃を記録する。自分の物件がこれより5〜10%安ければ、入居希望者は自然と集まる。

最近の20〜40代は、テレワーク対応の書斎スペース、南向きの日当たり、キッチンの広さを重視する傾向がある。築20年以上の物件でも、リノベーション対応で家賃を10〜15%上げても満室になるケースが増えている。競合との「見える差」を作ることが、空室防止の鍵だ。

「でも競合調査なんて不動産業者に任せればいいのでは…」——不動産業者は物件を売ることが仕事だ。競合の悪い点より、自分の物件の良い点を強調して説明する傾向がある。SUUMOで自分の目で3件比較するだけで、業者任せとは全く異なる判断ができる。自分で数字を見る習慣が、判断の精度を上げる。

実際に足を運んで地域の「将来性」を判断する

ネット情報だけでは見えない要素が、不動産投資では決定的に重要だ。実際にその地域を訪れて、3つのポイントを観察する。

特に地元密着の不動産屋は「今この地域で求められている物件」のリアルな情報を持っている。空室期間や入居の決まりやすさについて、全国チェーン店よりも正直に教えてくれることが多い。「ここは人が増えている」「ここは夜が静かすぎる」という肌感覚は、Googleマップでは得られない情報だ。


今日できる最小アクション

検討中または興味のあるエリアを1つ選び、国立社会保障・人口問題研究所のサイトで10年後の人口推計を調べる。 「地域名 + 人口推計」で検索すれば5分で確認できる。人口が増えているエリアか減っているエリアかを知るだけで、立地判断の精度が大幅に上がる。



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