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お金と、少しずつ仲良くなる
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相続における不動産の扱いと対策

父親が定年を迎えてふと思った。「もし両親が亡くなったら実家はどうなるんだろう」——調べてみると、相続トラブルの7割が遺産額5,000万円以下の一般家庭で起きているという事実を知った。「うちには関係ない」と思っていたが、まったく他人事ではない。空き家を放置すれば固定資産税の優遇が外れ、税負担が最大6倍になる場合がある。しかも解体費用に200〜300万円かかることもある。「いずれ考えればいい」と先送りした1年が、後になって数百万円の損失につながることがある。


不動産相続が複雑な理由——現金とは大きく異なる

不動産は現金と違い「分割が難しい」という厄介な特性がある。親が5,000万円の実家を残した場合、子ども3人で等しく相続しようとしても、建物を3等分することはできない。

さらに困るのは、相続後も毎年固定資産税がかかる点だ。土地の評価額の約1.4%が毎年請求される。誰も住まない実家を持ち続けていると、税金だけがかかり続ける。築30年以上の古い家であれば解体費用に200〜300万円かかることもある。

相続問題は「いずれ考えればいい」ではない。親が元気なうちに家族で話し合い、方針を固めておくことが極めて重要だ。

「でも相続の話を親に切り出すのは難しい…」——「お金の話をするのは不謹慎」という感覚はよくわかる。ただし、親が認知症になってからでは手遅れになる。「老後の資産計画を一緒に整理したい」という切り口で話し始めれば、「財産の調査」ではなく「家族のための準備」として会話ができる。

今からできる実践的な対策——3つのステップ

ステップ1:親の不動産を把握する

「親がどんな不動産を持っているか」を正確に知ることが最初の一歩だ。実家だけでなく、昔買った土地や祖父母から引き継いだ山林など、隠れた不動産がある場合がある。

親に直接聞きにくければ、毎年4月ごろ届く「固定資産税納税通知書」を見せてもらう。所有している全ての不動産が記載されている。同時に登記簿謄本を取得すれば、ローンが残っていないか・他人の権利が設定されていないかも確認できる。

ステップ2:相続税の試算をする

相続税は全ての人が払うわけではない。遺産の合計が「基礎控除額」を超える場合だけ課税される。計算式は「3,000万円 + 600万円 × 相続人数」だ。配偶者と子ども2人なら基礎控除は4,800万円。それ以下の遺産なら相続税はゼロだ。

ただし不動産の評価は路線価(国税庁が毎年公表)で計算されるため、売却価格と異なることが多い。専門家の診断を受けることが望ましい。

ステップ3:不動産の活用・処分方針を決める

「でも兄弟と不動産の話をすると揉めそう…」——話し合いを避けた結果、法定相続分で複数人が「共有名義」になる場合がある。共有名義は売却の際に全員の合意が必要で、一人でも反対すれば売れない状態が続く。揉める前に「早めに方針を決める」ことが、揉めないための最善策だ。

今月中にやることリスト


今日できる最小アクション

「3,000万円 + 600万円 × 相続人の人数」を計算し、両親の資産(不動産を含む)が基礎控除額を超えるかどうかを概算する。 超えるなら専門家への相談が必要だ。超えないなら相続税の心配は不要で、分割方法の話し合いだけに集中できる。この計算だけで、次にやるべきことが明確になる。



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