会社員を辞めてフリーランスになった最初の月、「あ、今月の振り込みがない」と気づいたとき、少し背筋が冷えました。
会社員のときは25日になれば必ず給料が入ってきた。フリーランスは仕事をした分だけが、請求して入金を待って、ようやく入ってくる。
3年経って、収入の波との向き合い方がある程度分かってきました。
フリーランスの収入の実態
最初の1年の月収の変動を正直に書きます。
| 月 | 月収(税込) |
|---|---|
| 1ヶ月目 | 12万円 |
| 2ヶ月目 | 8万円 |
| 3ヶ月目 | 25万円 |
| 4ヶ月目 | 31万円 |
| 5ヶ月目 | 18万円 |
| 6ヶ月目 | 42万円 |
| 7〜12ヶ月目平均 | 約28万円 |
「月によって4倍以上の差がある」というのが現実でした。
年間の総収入:約280万円(1年目)
会社員のときの年収が350万円だったので、1年目は収入が減りました。
フリーランスになって初めて気づいた「手取り」の問題
会社員のときは、社会保険料と所得税が天引きされた後の手取りが入ってきました。
フリーランスになると、振り込まれる金額がそのまま「収入」のように感じますが、そこから税金・社会保険料を自分で払う必要があります。
フリーランスが自分で払うもの:
①国民健康保険料(会社員より高い場合が多い)
- 前年の収入が280万円の場合、年間約25〜30万円(地域により差あり)
②国民年金保険料
- 月16,520円(2024年度)
- 年間約19.8万円
③所得税・住民税
- 確定申告後に払う
- 課税所得によって異なるが、フリーランスの場合は経費を差し引いた後の所得に課税
実質的な手取りの計算例(年収280万円のフリーランス):
収入:280万円 経費:50万円(通信費・交通費・書籍・PC等) 事業所得:230万円
- 国民健康保険:約20万円
- 国民年金:約20万円
- 所得税:約10万円(基礎控除・青色申告控除等適用後)
- 住民税:約12万円
手取り(実質):230万円 − 20 − 20 − 10 − 12 = 約168万円
月換算:約14万円
会社員時代の月手取り23万円と比べると、かなり少ない。これがフリーランス1年目の現実でした。
収入不安定に対応するための「生活防衛資金」
フリーランスになってまず必要だと実感したのは、生活防衛資金の確保です。
会社員なら「生活費3ヶ月分」が目安とされますが、フリーランスは6〜12ヶ月分が必要だと思います。
理由:
- 収入がゼロになる月がある
- 病気や急な案件キャンセルで一気に収入が減る可能性
- 確定申告で追加納税が発生する場合がある
私の場合、フリーランス転向前に300万円の現金を別口座に確保してから辞めました。
「これが尽きるまでは続けられる」という安心感がないと、「早く収入を得よう」という焦りから判断を誤る可能性があります。
フリーランスの節税・社会保険対策
フリーランスになると、税金・社会保険の面で会社員より不利な部分があります。対策できるものをまとめます。
①青色申告の活用
青色申告の申請(確定申告の事前届け出)をすることで、65万円の「青色申告特別控除」を受けられます。
230万円の事業所得から65万円が控除され、課税所得が165万円になる。
所得税・住民税の節税効果:約10〜15万円/年
青色申告には複式簿記での記帳が必要ですが、会計ソフト(マネーフォワードクラウド確定申告等)を使えば比較的対応できます。
②iDeCoの活用
フリーランス(国民年金第1号被保険者)は、毎月最大68,000円(年81.6万円)のiDeCo掛金が全額所得控除になります。
会社員の最大2.3万円/月(年27.6万円)より大きな枠があります。
年収300万円のフリーランスが月2万円(年24万円)のiDeCoを使うと:
節税額 = 24万円 × (所得税率10% + 住民税10%) = 4.8万円/年
③小規模企業共済
フリーランス・個人事業主向けの退職金積立制度。月最大7万円まで掛金が全額所得控除になります。
iDeCoと組み合わせると、年間で大きな所得控除を作れます。
収入が安定してきた3年目の状況
フリーランス3年目は、収入が安定してきました。
- 1年目:年収280万円(月収が不安定)
- 2年目:年収370万円(固定クライアント2社)
- 3年目:年収480万円(月平均40万円、ブレが小さくなった)
安定してきた理由は「継続して仕事をもらえるクライアントが増えた」ことです。
単発の仕事より、継続的な仕事(毎月発注がある関係)を増やすことが、フリーランスの収入安定の鍵です。
フリーランスのお金の管理で失敗したこと
3年間でお金の管理で失敗したことも書きます。
①税金の備えが足りなかった
確定申告後に「追加で30万円払う」という状況が1年目の3月に起きました。
フリーランスは給与天引きがないため、自分で「税金の予算」を確保しておく必要があります。
収入の20〜25%を「税金・社会保険用」として別口座に積んでおく習慣が必要でした(気づくのが遅かった)。
②収入が多い月に使いすぎた
月収42万円の月に「余裕がある」という感覚から支出が増えて、翌月が8万円になったときに厳しい状況になりました。
「収入の波」を「月々の生活費の波」にしないため、「毎月一定の金額だけを生活費口座に移す」という仕組みを作るべきでした。
③社会保険料の重さを見積もれなかった
国民健康保険は前年の所得で計算されるため、収入が増えた翌年に保険料が大幅に上がりました。
「来年の保険料がいくらになるか」を事前に計算して、積み立てておく必要があります。
まとめ
フリーランスのお金管理の基本:
- 転向前に生活費6〜12ヶ月分の現金を確保する
- 収入の20〜25%を税金・社会保険用として別管理する
- 青色申告・iDeCo・小規模企業共済で節税する
- 毎月の生活費は一定額に抑えて、収入の波を吸収する
会社員より「自分で管理することが多い」のがフリーランスですが、使える節税制度は会社員より多い部分もあります。
知識を持って対策することで、収入の不安定さと向き合えるようになります。
マネーフォワード ME
フリーランスの収入・経費・税金を一括管理できます。「今月いくら入って、いくら使ったか」を把握して、確定申告・節税対策の土台を作りましょう。青色申告の記帳にも対応しています。