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年末調整、ちゃんと書いてる?——書き方を間違えると控除を取りこぼす話

毎年10〜11月頃、会社から年末調整の書類が配布されます。

「去年と変わらないから、名前と住所だけ書いて提出」という人が多いと思います。

でもこれ、毎年数万円の控除を取りこぼしている可能性があります。

私も転職した年に「前の書き方をそのままコピー」して提出したら、配偶者特別控除を書き忘れて確定申告が必要になった経験があります。


年末調整で申告できる主な控除

年末調整で申告できる控除は、大きく7つあります。

控除の種類概要よくある取りこぼし
基礎控除全員適用。48万円申告書に記入を忘れる人がいる
配偶者控除・特別控除配偶者の収入が一定以下の場合配偶者の収入を計算していない
扶養控除16歳以上の扶養家族がいる場合大学生の子どもを書き忘れる
生命保険料控除支払った保険料の一部証明書を紛失して申告しない
地震保険料控除地震保険の保険料存在を知らない人が多い
社会保険料控除国民年金・任意の社会保険料副業・フリーランス兼業時に漏れる
住宅借入金等特別控除住宅ローン(2年目以降)申告書類を提出し忘れる

取りこぼしが多い①:配偶者控除・配偶者特別控除

配偶者の年収が150万円以下の場合、配偶者控除または配偶者特別控除が受けられます(2026年現在)。

配偶者控除:配偶者の合計所得が48万円以下(給与年収103万円以下) → 最大38万円の所得控除

配偶者特別控除:配偶者の合計所得が48万円超〜133万円以下(給与年収103万円超〜201万円以下) → 所得に応じて1万円〜38万円の控除

よくある間違い:

年収500万円の人が配偶者控除(38万円)を適用した場合の節税額:38万円 × 20%(所得税率) + 38万円 × 10%(住民税率) = 約114,000円の節税

申告しないと11万円以上を損します。


取りこぼしが多い②:生命保険料控除

生命保険・医療保険・個人年金保険に加入している場合、保険料の一部が所得控除になります。

控除の種類(3区分):

区分対象保険最大控除額(新制度)
一般生命保険料控除死亡保険・学資保険等40,000円
介護医療保険料控除医療保険・がん保険等40,000円
個人年金保険料控除個人年金保険40,000円
合計最大120,000円

10〜11月に保険会社から「控除証明書」が届きます。この書類を紛失・見落としすると申告ができません。

対策: 控除証明書が届いたら、年末調整の書類と一緒に封筒に入れて保管しておく。

年収500万円で3区分すべて申告した場合(控除12万円): 約36,000円の節税(所得税20% + 住民税10%)。


取りこぼしが多い③:扶養控除

16歳以上の子ども・親・兄弟姉妹を扶養している場合、扶養控除が受けられます。

控除額:

区分控除額
一般扶養親族(16〜18歳、23〜69歳)38万円
特定扶養親族(19〜22歳)大学生63万円
老人扶養親族(70歳以上・同居)58万円

大学生の子どもは特定扶養(63万円控除)に当たる場合が多い。

年収500万円の人が19〜22歳の子どもを特定扶養に申告した場合:63万円 × 30%(所得税+住民税合算) = 約189,000円の節税

「大学生になったから学校の情報は不要だろう」と書かなくなる人がいますが、むしろ大学生(19〜22歳)の時期が最も控除額が大きい。


取りこぼしが多い④:社会保険料控除(副業・フリーランスの場合)

本業以外で国民年金を払っている場合、その分も年末調整で申告できます。

例:転職の空白期間に国民年金・国民健康保険を自分で払った場合、その保険料は社会保険料控除として申告できます。

この申告を忘れている人が意外と多い。


年末調整の書類を正しく書くための手順

手順1:前年との変化を確認する

手順2:必要な書類を揃える

手順3:配偶者・扶養家族の所得を正確に記入する

配偶者の年収が変化していれば、「本年中の合計所得金額の見積もり」を実態に合わせて更新する。


年末調整で申告できないもの(確定申告が必要)

年末調整では申告できない控除があります。

控除確定申告が必要な理由
医療費控除年末調整では対象外
ふるさと納税(5自治体超・確定申告者)ワンストップ特例が使えない場合
副業所得(雑所得20万円超)会社以外の所得は年末調整に含まれない
初年度の住宅ローン控除2年目以降は年末調整でOK

医療費控除は「病院・薬局の領収書を1年分集める」手間がありますが、家族全員の医療費合計が10万円を超えた年は確定申告する価値があります。


年末調整は「毎年アップデートする」もの

年末調整は「去年と同じ内容を提出すればいい」ではありません。

家族構成・収入・保険・住宅ローン……毎年状況は変わります。

「今年は何が変わったか」を確認して、正しく申告することで数万円〜十数万円の節税ができます。

書類を後回しにせず、届いたその日に整理する習慣をつけると、取りこぼしが大幅に減ります。

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本記事はFP(ファイナンシャルプランナー)の知識をもとに執筆しています。

本記事は2026年時点の税制に基づいています。控除の要件・金額は変更される場合があります。最新情報は国税庁の公式サイトをご確認ください。


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