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オルカン(全世界株式)を月3万円で10年積み立てると実際どうなるか——過去データで検証した

「オルカン(全世界株式インデックスファンド)を積み立てておけば大丈夫」という話は至るところで見ます。

でも「どれくらいの期間で、どれくらい増えるのか」という具体的なイメージが持てないまま積み立てている人も多いのではないでしょうか。

今回は月3万円の積立を10年続けた場合、過去のデータをもとにどうなる可能性があるかをシミュレーションしてみます。リスクも含めて正直に書きます。


オルカン(全世界株式)とは

「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」が代表的な商品です。通称「オルカン」。

全世界の株式市場に分散投資するインデックスファンドで、約50カ国・3,000銘柄以上に投資します。

主な特徴:

コストが非常に安く、世界中の経済成長に乗れるという設計から、長期積立の基本として広く推薦されています。


月3万円・10年積立のシミュレーション

元本:3,600,000円(月30,000円 × 12ヶ月 × 10年)

想定利回りを3パターンで試算します。

パターンA:年利3%(保守的なシナリオ)

世界株式市場が停滞気味で、インフレ分程度しか成長しない場合。

10年後の残高:約4,180,000円 利益:約580,000円

元本の116%。銀行預金よりは良いが、「大きく増えた」とは言いにくい。

パターンB:年利5%(中程度のシナリオ)

全世界株式の長期平均に近い水準。過去30年の平均的なパフォーマンスに近い。

10年後の残高:約4,660,000円 利益:約1,060,000円

元本の129%。100万円以上のリターンになる。

パターンC:年利7%(楽観的なシナリオ)

2010年代のような世界株式市場の好調な局面が続く場合。

10年後の残高:約5,230,000円 利益:約1,630,000円

元本の145%。160万円以上のリターン。


過去の全世界株式の実績

「年利5〜7%」という想定は、根拠はあるのか。過去のデータを確認します。

MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(ACWI)の過去実績:

ただし、この数字は「円安の影響を大きく含む」点に注意が必要です。

特に2022年以降は急激な円安が進み、ドル建ての投資信託は円換算で大きく膨らみました。「為替が元に戻れば、円換算のリターンは下がる」という見方もあります。

ドル建て(為替影響を除いた)の実績で見ると:

こちらは比較的高い水準。「年利5〜7%」という想定は「過去と同程度かやや保守的」と言えます。


「積立投資」の強さ:ドルコスト平均法

積立投資の大きなメリットは、毎月同じ金額を定額で買い続けることで「高いときに少なく、安いときに多く買える」ことです。

これを「ドルコスト平均法」と呼びます。

例えば月30,000円の積立で:

暴落時は「同じ金額で多く買える」ので、回復したときに大きく利益が出やすい。

これは一括投資との大きな違いです。一括投資は「買ったタイミング」が重要になりますが、積立は「時間分散」によってタイミングリスクが自然に小さくなります。


暴落があった場合のシナリオ

「積立中に暴落が来たらどうなるか」も考えておく必要があります。

過去の主な暴落:

コロナショックは「暴落→急回復」のパターンで、積立を継続していた人は暴落後に大きく増やせました。

リーマンショック型の大暴落では、回復まで3〜4年かかりました。でも積立を続けた場合、暴落中に「安く大量に買える」ため、回復後のリターンは一括投資より良くなるケースが多いことが知られています。


「10年で確実に増える」は保証されているか

正直に言うと、「確実に増える」という保証はありません。

10年の積立でも元本割れするシナリオは理論上あります。例えば:

ただし、過去の実績を見ると:

「10年積み立てれば大丈夫」と断言はできないが、「10年積み立てれば、確率的にプラスになる可能性が非常に高い」というのが現実的な評価です。


月3万円の積立は「いつ始めるべきか」

「今が買い時か」「もう少し待った方がいいか」と考える気持ちは理解できます。

でも積立投資に「完璧なタイミング」はありません。

過去のデータで繰り返し確認されていることは、「早く始めた人ほど有利」という事実です。

月3万円を始めるタイミングによる20年後の差(年利5%想定):

3年の差が4,300,000円の差になる。

「今は相場が高い気がする」「もう少し勉強してから」と考えている間に、大きな機会を失っていきます。


積立NISAと新NISAの違い

2024年から始まった「新NISA」は、旧NISA・積立NISAより大幅に改善されています。

新NISAのメリット(旧制度との比較):

項目旧積立NISA新NISA(つみたて枠)
年間投資上限40万円120万円
非課税期間20年無期限
生涯投資上限800万円1,800万円(成長投資枠含む)
引き出しいつでも可いつでも可

年間120万円まで積み立てられるようになったため、月3万円(年36万円)なら新NISAのつみたて枠内で全額非課税で運用できます。

投資で得た利益に本来かかる税金(約20%)がゼロになる。

月3万円・10年で100万円の利益が出た場合、通常なら約20万円の税金がかかりますが、NISAなら0円。この差は非常に大きい。


積立を始める前に確認しておくこと

投資を始める前に、以下を確認しておくことをおすすめします。

①生活費3〜6ヶ月分の現金を確保する

投資は「使う予定のないお金」でやることが大前提。

緊急時(病気・失業・急な出費)に対応できる現金がないと、相場が悪いタイミングで投資を売却せざるを得なくなります。

②毎月いくら投資に回せるか把握する

手取りから生活費・固定費を差し引いて、余裕を持って投資に回せる金額を設定する。

最初は月5,000円でもいい。続けられる金額から始める。

③投資商品はシンプルに選ぶ

全世界株式インデックス一本、または全世界株式+国内債券の2本など、シンプルな構成が管理しやすく、長続きする。

複雑な商品を複数持つと管理が大変になり、判断に迷うことが増える。


10年後に向けて今日できること

シミュレーションの数字を見ると「月3万円で100万円以上の利益」は現実的な目標に見えます。

でも「10年後」という目標は、「今日始めるかどうか」で大きく変わる。

「来月から始めよう」が「来年から始めよう」になって、10年後に「もっと早く始めればよかった」という後悔をしている人をたくさん見てきました。

今日の一歩が10年後の大きな差になる。それが積立投資の本質です。

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