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最低賃金2026、月給いくらなら大丈夫?全国1,177円を月給に直すと約19.2万円

最低賃金2026、月給いくらなら大丈夫?

この記事で分かるのは、月給で働いている人が、自分の給料が2026年度の最低賃金を下回っていないかを、給与明細1枚で確かめる方法です。

先に結論を書きます。

「月給19万円」は、兵庫だと足りていない可能性があります。

東京なら、月20万円でも足りないことがあります。


2026年度の最低賃金はいくらになったか

厚生労働省が公表している「令和8年度 地域別最低賃金 全国一覧」から、主な都道府県を抜き出しました。

都道府県2026年度前年度引き上げ額発効日
東京1,280円1,226円54円10月1日
神奈川1,279円1,225円54円10月1日
大阪1,231円1,177円54円10月1日
埼玉1,196円1,141円55円10月1日
愛知1,195円1,140円55円10月1日
京都1,180円1,122円58円11月16日
兵庫1,172円1,116円56円10月1日
北海道1,131円1,075円56円10月1日
福岡1,114円1,057円57円10月4日
熊本1,092円1,034円58円12月1日
沖縄1,086円1,023円63円12月2日
宮崎1,085円1,023円62円10月24日
全国加重平均1,177円1,121円56円―

いちばん高いのは東京の1,280円、いちばん低いのは宮崎の1,085円です。

差は195円あります。

引き上げ額で見ると、佐賀の65円、鹿児島の64円が大きく、東京・神奈川・大阪の54円が小さい。低い県ほど大きく上がっていて、差は少しずつ縮まっています。

注意したいのは発効日です。

10月1日に一斉に上がるわけではありません。

47都道府県のうち、10月1日に発効するのは15都道府県だけ。あとは10月の途中から12月2日まで、ばらけています。

関西でいうと、兵庫・大阪は10月1日なのに、京都は11月16日。神戸に住んで京都で働いている人は、1か月半ずれることになります。

最低賃金は「住んでいる県」ではなく**「働いている事業所がある県」**で決まるので、ここは間違えやすいところです。

つまり、10月の時点で「まだ上がっていない」のが正しい県もあります。自分の県の日付だけ、先に確認しておいてください。


月給の人も対象になる

最低賃金というと、コンビニやスーパーの時給の話に聞こえます。

でも、最低賃金法は正社員にも契約社員にも、月給にも日給にも適用されます。

月給の人は、月給を時給に直してから最低賃金と比べます。

厚生労働省の計算式はこれです。

月給 ÷ 1か月の平均所定労働時間 ≧ 最低賃金(時間額)

「1か月の平均所定労働時間」は、会社の就業規則で決まっている年間の労働日数から出します。

(365日 − 年間休日)× 1日の所定労働時間 ÷ 12か月

たとえば、年間休日120日・1日8時間の会社なら、

(365 − 120)× 8 ÷ 12 = 約163.3時間

年間休日105日・1日8時間なら、

(365 − 105)× 8 ÷ 12 = 約173.3時間

休みが少ない会社ほど、1か月の労働時間が長くなります。

同じ月給でも、時給に直すと安くなる。

つまり、休みが少ない会社で月給が低めの人ほど、最低賃金に引っかかりやすいということです。


「月給」から抜くものがある

ここがいちばん大事なところです。

最低賃金と比べる月給は、給与明細の「総支給額」ではありません。

厚生労働省は、最低賃金の対象になるのは「毎月支払われる基本的な賃金」だとしていて、次のものは計算から除くと決めています。

除くもの例
臨時に支払われる賃金結婚手当など
1か月を超える期間ごとに支払われる賃金賞与(ボーナス)
所定労働時間を超えた労働の賃金残業代(時間外手当)
所定の休日に働いた分の賃金休日出勤手当
深夜(午後10時〜午前5時)の割増分深夜手当
精皆勤手当・通勤手当・家族手当皆勤手当、交通費、扶養手当

逆に、基本給と、職務手当・役職手当・資格手当のような毎月決まって出る手当は含めます。

「固定残業代」「みなし残業手当」も、中身は残業に対する賃金なので、除いて考えます。

ここで効いてくるのが、明細の見た目と中身のズレです。

たとえば、兵庫の会社で、明細がこうだったとします。

項目金額最低賃金の計算に
基本給170,000円入れる
職務手当20,000円入れる
皆勤手当10,000円除く
通勤手当12,000円除く
固定残業代30,000円除く
総支給242,000円―

総支給は24万円を超えていて、一見すると最低賃金とは無縁に見えます。

でも、計算に使うのは基本給と職務手当だけ。190,000円です。

これを時給に直すと、

兵庫の新しい最低賃金は1,172円なので、どちらも下回ります。

年間休日105日のほうだと、足りない額は月13,147円。1年で約15.8万円です。

去年までの1,116円なら、年間休日120日のほうは足りていました(1,163円>1,116円)。

今年の引き上げで、同じ給料のまま「足りない側」に入る人が出る、というのがこの話の本題です。


都道府県別:月いくら以上あればいいか

計算が面倒な人のために、よく使われる2パターンで「最低ライン」を月額にしました。

ここでいう金額は、**基本給+毎月決まって出る手当(皆勤・通勤・家族・残業代を除く)**の合計です。

都道府県最低賃金年間休日120日年間休日105日
東京1,280円209,067円221,867円
神奈川1,279円208,903円221,693円
大阪1,231円201,063円213,373円
埼玉1,196円195,347円207,307円
愛知1,195円195,183円207,133円
京都1,180円192,733円204,533円
全国平均1,177円192,243円204,013円
兵庫1,172円191,427円203,147円
北海道1,131円184,730円196,040円
福岡1,114円181,953円193,093円
宮崎1,085円177,217円188,067円

※1日の所定労働時間8時間で計算。1円未満は四捨五入。

東京で年間休日105日の会社なら、基本給と手当で22万円ちょっとが必要になります。

「月給20万円」の求人票を見て、最低賃金より上だと思い込むのは危ない、ということです。

逆に、1日の所定労働時間が7時間半の会社なら、1か月の時間が短くなるので、必要な月給は少し下がります。

正確に知りたい人は、自分の会社の年間休日と1日の所定時間で計算してください。

厚生労働省のサイトには、数字を入れるだけで判定できる「最低賃金セルフチェックシート」(Excel)もあります。


いつの給料から上がるのか

もう1つ、よく混乱するのが「いつの給料に反映されるか」です。

最低賃金は、発効日以降に働いた分に適用されます。

給料日ではなく、働いた日で決まります。

だから、たとえば「月末締め・翌月25日払い」の会社で、発効日が10月1日なら、

10月の明細を見て「上がってない」と焦らなくて大丈夫です。

見るべきは、10月に働いた分の給料の明細です。

20日締めの会社なら、10月1日から20日までの分が、最初に新しい金額の対象になります。

京都のように11月16日発効の県なら、11月16日以降に働いた分から。月の途中から切り替わるので、会社によって処理のしかたが違います。


下回っていたら、どうなるのか

最低賃金を下回る金額で契約していても、その部分は法律上無効になり、最低賃金と同じ額で契約したものとみなされます(最低賃金法第4条)。

つまり、会社には差額を払う義務があります。

地域別最低賃金を下回った場合、会社には50万円以下の罰金という罰則もあります(最低賃金法第40条)。

とはいえ、いきなり労働基準監督署に行く必要はないと僕は思っています。

多くの場合、会社側が単純に計算を見落としているだけだからです。

とくに、基本給を低めにして手当で総額を作っている会社は、総支給額だけ見て「最低賃金は余裕で超えている」と思い込みやすい。

最初は、人事や総務に「最低賃金の計算で、基本給と職務手当だけで足りていますか」と聞くくらいで十分だと思います。

それで話が進まないときは、都道府県労働局や労働基準監督署に相談できます。


月給の人でも「関係ない」とは言い切れない

僕は資材の管理と発注の仕事をしていて、月給で働いてきました。

転職も4回しています。

いま5回目の転職先を探していて、求人票を見る機会が多いんですが、目に入るのはだいたい「月給◯万円〜」という総額です。

その中に固定残業代や皆勤手当がどれだけ入っているかは、細かい条件のところまで読まないと分かりません。

月給だと、どうしても「最低賃金はバイトの話」と思ってしまうんですよね。分かっていても、総額のほうに目が行きます。

でも、計算してみると、総支給が24万円あっても、中身しだいでは足りていないことがありえます。

給料の総額は変わっていないのに、最低賃金のほうが毎年上がっていく。

ここ数年は毎年50円以上上がっているので、去年大丈夫だった人が、今年は足りなくなる。

これが、月給の人も年に1回は見ておいたほうがええと僕が思う理由です。

一方で、基本給だけで上の表の金額を超えている人は、この記事の計算は必要ありません。

そういう人は、明細を開くまでもなく大丈夫です。


今日できること

給与明細を1枚出して、これだけ見てください。

  1. 基本給と、毎月決まって出る手当(職務・役職・資格など)を足す
  2. 皆勤手当・通勤手当・家族手当・残業代・固定残業代は足さない
  3. 上の表で、自分の県・自分の会社に近い年間休日の金額と比べる
  4. 足りていなければ、自分の県の発効日以降に働いた分の明細で直っているか確認する

5分もかかりません。

最低賃金がそもそも何で決まっているか、今年どう議論されてきたかは、最低賃金2026の見通しの記事に書いています。

パートで週20時間以上働いている人は、10月から社会保険の加入条件も変わっています。「106万円の壁」が消える記事も合わせてどうぞ。

年末調整で所得税がいくら戻るかは、2026年の年末調整の記事で計算しています。


まとめ

最低賃金の引き上げは、時給で働く人だけのニュースに見えます。

でも、基本給が低めの会社で月給で働いている人にとっても、自分の給料の「底」が1年で56円ぶん上がる話です。

一度だけ計算しておけば、来年からは表の数字を見直すだけで済みます。


本記事は、厚生労働省「令和8年度 地域別最低賃金 全国一覧」「最低賃金の対象となる賃金」「最低賃金額以上かどうかを確認する方法」、最低賃金法(第4条・第40条)をもとに、家計の見直しを続けている会社員が執筆しています。月額の目安は1日8時間・記載の年間休日で単純計算したもので、実際の判定は各社の就業規則上の所定労働時間で行います。個別の労働条件については、都道府県労働局または労働基準監督署にご相談ください。制度は変更される場合があります。最新情報は厚生労働省の公式サイトをご確認ください。


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