昨日、いつも通りネットバンキングのアプリを開いたら、ロゴが見慣れないものに変わっていました。「住信SBIネット銀行」の文字がなく、代わりに「ドコモSMTBネット銀行」。一瞬、詐欺アプリに差し替えられたのかと本気で焦りました。
調べてみたら、正真正銘の社名変更でした。しかも、変更の中身を追っていくと「え、SBIっていつの間にか抜けてたの」という展開に。このブログでも、生活防衛資金の預け先として住信SBIネット銀行を何度かおすすめしてきた身としては、他人事ではありません。
先に結論を書きます。
住信SBIネット銀行は2026年8月3日、株式会社ドコモSMTBネット銀行に商号変更しました。 口座番号・支店番号・金融機関コードは変わらず、キャッシュカードやSBIハイブリッド預金もそのまま使えます。ただし、他行から振り込んでもらう際に指定する銀行名が変わるため、給与や年金の振込先として登録している人は確認しておいたほうがいいです。
何が起きたのか、なぜ名前からSBIが消えたのか、そして実際に何をすればいいのか、順番に整理していきます。
何が起きたのか——社名は変わったが、口座はそのまま
まず起きている事実を整理します。
- 旧社名:住信SBIネット銀行株式会社
- 新社名:株式会社ドコモSMTBネット銀行(2026年8月3日〜)
- 個人向けサービスブランド:「ドコモの銀行」
- 金融機関コード・支店番号・口座番号は変更なし
- キャッシュカード・ATM・デビット機能・SBIハイブリッド預金はこれまで通り利用可能
- 公共料金やクレジットカードの口座振替も、手続き不要でそのまま継続
つまり、口座そのものが引き継がれる正式な社名変更であって、口座が凍結されたり、新規に作り直しになったりするような話ではありません。SNS上では「乗っ取られたのかと思った」「詐欺かと焦った」という声も見かけましたが、それだけ見た目の変化が大きかったということだと思います。アプリアイコンやログイン画面のロゴが一気に切り替わるので、驚くのも無理はありません。
なぜ名前からSBIが消えたのか
ここが今回いちばん意外だったところです。「住信SBIネット銀行」という名前は、住友信託銀行(現・三井住友信託銀行)とSBIホールディングスが共同で設立した銀行という成り立ちに由来していました。ところが新しい社名「ドコモSMTBネット銀行」には、SBIの文字がありません。理由を追うと、単なる名称変更ではなく、株主構成そのものが変わっていたことがわかりました。
経緯を簡単にまとめると、次のような流れです。
- 2025年5月、NTTドコモが住信SBIネット銀行の子会社化を発表。 一般株主が持つ株式へのTOB(株式公開買付け)と、SBIホールディングスが保有する約34%の株式を自己株式として買い取るスキームが同時に発表されました。
- SBIホールディングスは保有していた株式をすべてNTTドコモに売却し、資本関係から完全に離脱。 「住信SBI」という名前の生みの親の片方が、静かに抜けていたことになります。
- 一方、共同経営パートナーの三井住友信託銀行(SMTB)は残留。 最終的な出資比率はNTTドコモが55.37%、三井住友信託銀行が44.63%で、議決権は50%ずつになるよう調整されています。
- 新しい社名「ドコモSMTBネット銀行」は、この2社(ドコモ・三井住友信託銀行)の共同経営を表した名前になりました。
背景には、ドコモの会員基盤・販売チャネルと、三井住友信託銀行の金融ノウハウを組み合わせて、暮らしと金融の境目をなくしていきたいという狙いがあるようです。dカードやマネックス証券との連携で還元率を上げるキャンペーンも始まっているので、今後は携帯・金融をセットで囲い込むサービスに寄っていくのだろうと思います。
数字だけ見ると地味な出資比率の話ですが、「SBIが完全に抜けて、ドコモが過半数株主になった」というのは、この銀行を長年使ってきた人にとっては小さくない変化です。
実際に変わること——振込先の銀行名指定
口座番号や金融機関コードは変わらないと書きましたが、ひとつだけ実務上の注意点があります。他の銀行から振り込んでもらうとき、振込先として指定する銀行名が変わるという点です。
- 2026年8月3日以降:振込先の銀行名は「ドコモSMTBネット銀行」を指定するのが基本
- 旧名称「住信SBIネット銀行」での指定でも、2026年10月30日までは経過措置により届く見込み
つまり、いきなり旧名称が使えなくなるわけではなく、10月末までは猶予がある形です。ただ、勤務先の給与振込先登録や、年金の受取口座として住信SBIネット銀行を指定している場合、いつまでも旧名称のままにしておくのも気持ちが悪いものです。給与明細や振込明細に反映されるタイミングで、担当部署に確認してみるのが安心だと思います。
アプリのアイコンやウェブサイトのロゴも、今後段階的に「ドコモの銀行」ブランドへ切り替わっていく予定とのことです。ATM画面の表示も順次更新されるようなので、しばらくは新旧の表示が混在する場面もあるかもしれません。
名称変更のタイミングは詐欺メールの狙い目でもある
これは今回調べていて改めて感じたことですが、銀行の社名変更やブランド刷新のタイミングは、フィッシング詐欺が便乗しやすい時期でもあります。「口座名義変更のお手続きが必要です」「本人確認情報の更新をお願いします」といった件名のメールやSMSが届いても、本文中のリンクは絶対にクリックしないでください。
確認したいことがある場合は、メールのリンクからではなく、必ずブックマークしてある公式サイトや、公式アプリから直接ログインして確認するのが基本です。少しでも不審に感じたメールが届いたら、開かずに削除するか、公式サイトに掲載されている問い合わせ窓口に自分で連絡して確認する。これは住信SBIネット銀行に限らず、名前が変わったすべてのサービスに共通する自衛策です。
で、私たちはどう動けばいいのか
結論として、慌てて何かの手続きをする必要はありません。整理すると、やることは次の3つです。
1つ目は、給与や年金の振込先として登録している場合、勤務先や年金機構への届出内容を確認すること。 10月30日までは旧名称でも届くので急ぐ必要はありませんが、次に振込先情報を更新する機会があれば、あわせて新名称に直しておくと後々楽です。
2つ目は、アプリやログイン画面のロゴが変わっても慌てないこと。 公式の社名変更である以上、見た目が変わること自体は問題ありません。ただし、変更を装った偽メール・偽SMSには要注意です。リンクを踏まず、公式アプリ・公式サイトから直接確認する習慣を徹底してください。
3つ目は、この機会に預け先の金利や使い勝手を見直してみること。 住信SBIネット銀行は目的別口座(バケツ機能)が使えるなど、家計管理の面で評価してきた銀行です。社名が変わっても機能自体はそのまま使えるので、慌てて他行に移す必要はありません。とはいえ、ネット銀行同士でも普通預金の金利には差があります。メインバンクとネット銀行の使い分け方は銀行口座の使い分け戦略、生活防衛資金の置き場所は生活防衛資金はいくら必要かで整理しているので、あわせて確認してみてください。ちょうど先週、ゆうちょ銀行やメガバンクの普通預金金利が0.4%に引き上げられたニュースも書いたばかりなので、預け先を横並びで見直すにはいいタイミングかもしれません。
よくある疑問
Q. 口座を作り直す必要はありますか? A. いいえ。口座番号・支店番号・金融機関コードは変更されておらず、既存の口座がそのまま引き継がれます。作り直しの手続きは不要です。
Q. 通帳やキャッシュカードは新しいものに交換されますか? A. 既存のキャッシュカードやデビット機能はそのまま利用できます。カードのデザインが今後の発行分から変わる可能性はありますが、現時点で強制的な交換の案内は出ていません(最新情報は公式サイトでご確認ください)。
Q. SBI証券との連携(SBIハイブリッド預金)はどうなりますか? A. SBIハイブリッド預金は従来通り利用できるとされています。SBIホールディングス自体は資本関係から離脱していますが、証券連携サービスの提供自体が終了するという発表は出ていません。
Q. 振込先の登録を今すぐ直さないとお金が届かなくなりますか? A. いいえ。2026年10月30日までは旧名称「住信SBIネット銀行」での振込指定でも届く経過措置が設けられています。慌てて今日中に直す必要はありません。
まとめ——社名は変わったが、慌てる必要はない
- 住信SBIネット銀行は2026年8月3日、株式会社ドコモSMTBネット銀行に商号変更。個人向けブランドは「ドコモの銀行」
- 背景には、SBIホールディングスが保有株式を全てNTTドコモに売却し資本関係から離脱、ドコモが55.37%・三井住友信託銀行が44.63%を持つ体制への移行がある
- 口座番号・支店番号・金融機関コードは変更なし。キャッシュカードやSBIハイブリッド預金もそのまま使える
- 振込先として指定する銀行名は「ドコモSMTBネット銀行」に変更。旧名称でも10月30日までは経過措置で届く
- 名称変更のタイミングに便乗したフィッシング詐欺には要注意。リンクは踏まず、公式サイト・公式アプリから直接確認する
今日やる1つを挙げるなら——給与や年金の振込先として住信SBIネット銀行を登録している人は、次に情報を更新する機会に新名称へ直しておくこと。それ以外の人は、アプリのロゴが変わったことに驚くだけで大丈夫です。
本記事は、NISA・家計改善を実践する会社員が、自身の経験と公的機関の情報をもとに執筆しています。
本記事は2026年8月時点の公開情報に基づいています。制度・サービス内容は今後変更される場合があります。最新情報はドコモSMTBネット銀行の公式サイトでご確認ください。