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【65歳以上に簡易書留】年金の『意向確認書』、45日放置すると勝手に『同意』扱いになっていました

年金の『意向確認書』45日放置すると自動的に同意扱いになる仕組みと詐欺への注意点

実家の母から、先月ちょっと焦った様子で電話がありました。

「簡易書留で年金の書類が届いたんやけど、これ、放っておいたらあかんやつなんかな」

僕も最初は何の話か分からず、慌てて日本年金機構の公式サイトを確認しました。

結論から言うと、詐欺ではありません。ただし、放っておくと自動的に「同意した」ことになる、というちょっと珍しい仕組みの書類でした。

今日はこの「意向確認書」が何なのか、そして同じ時期に必ず出てくる便乗詐欺の見分け方を、公式情報で整理します。


「意向確認書」とは何か

正式名称は「年金振込口座の公金受取口座登録に関する意向確認書」です。

日本年金機構の公式サイトによると、これまで年金の振込先として登録している口座を、そのまま「公金受取口座」としても登録してよいかどうかを確認するための書類です。

公金受取口座というのは、給付金や還付金などをスムーズに受け取れるように、あらかじめ国に届け出ておく口座のことです。すでにマイナポータルなどで登録している人には、この書類は届きません。

僕は正直、「年金の口座」と「公金受取口座」が別々に存在していたこと自体を今回初めて知りました。同じ口座なのだから最初からまとめておいてほしい、と思ったのは僕だけではないはずです。

誰に、いつ届くのか

対象になるのは、令和8年4月15日時点で65歳以上、つまり昭和36年4月16日以前に生まれた年金受給者です。

発送は生年月日別に段階を分けて行われます。日本年金機構の公式発表によると、最初のグループ(昭和36年4月〜昭和30年10月生まれ)には令和8年8月頃から、最後のグループ(昭和6年3月以前生まれ)には令和9年2月頃までに、順次届く予定です。

つまり今月届かなかったからといって、対象外だと決まったわけではありません。もう少し先の生まれの人には、来年の2月頃まで少しずつ届き続けます。

すでに公金受取口座を登録済みの人、海外に住んでいる人などは対象から外れるため、届かなくても何も心配する必要はありません。65歳未満の人にとっても、今のところこの書類は関係ありません。自分や家族が対象年齢に当てはまるかどうかだけ、まず確認してもらえば十分です。

そもそも、なぜこんな制度があるのか

公金受取口座の仕組み自体は、コロナ禍の特別定額給付金がきっかけで生まれた面があります。

あのとき、振込先の口座を一件ずつ確認する作業に時間がかかり、給付が遅れた自治体が全国に出ました。国はその反省から、あらかじめ一人一世帯につき一つの口座を「公金受取口座」として登録してもらい、給付金や還付金をすぐに振り込める体制を整えようとしています。

今回の意向確認書は、その対象を年金受給者にまで広げる動きの一環です。制度の狙い自体は、次に何か給付金が出たときに受け取りが早くなる、という利用者側のメリットにもつながっています。ただ、その説明を書類だけで理解するのは正直しんどいと思います。だからこそ、届いた書類の中身より先に「これは何のための書類か」を知っておくほうが安心できるはずです。

いちばん驚いた点——何もしないと「同意」扱いになる

僕がこの制度でいちばん引っかかったのはここです。

意向確認書を受け取ってから45日以内に「公金受取口座登録不同意申出書」を返送しなかった場合、年金振込口座を公金受取口座として登録することに「同意」したものとして扱われます。

普通、こうした行政手続きは「同意します」に丸をつけて出す方式だと思っていました。今回は逆で、嫌な人だけが行動する「不同意」方式です。

登録されて困る人はほとんどいないはずですが、「知らないうちに勝手に登録されていた」という感覚を持つ人が一定数出ることは想像がつきます。届いたら中身を確認するだけの時間は取ったほうがいいと思います。

今日、確認しておきたいこと

書類が届いた、あるいはこれから届く可能性がある人は、次の3つだけ押さえておけば十分です。

まず、自分の生年月日が対象範囲(昭和36年4月16日以前生まれ)に入っているかどうか。

次に、すでにマイナポータルなどで公金受取口座を登録済みでないかどうか。登録済みなら、この書類自体が届きません。

最後に、届いた書類に記載されている返送期限です。45日という期間は書類到着日から数えるため、後回しにしていると意外と早く過ぎてしまいます。

内容について不明な点がある場合、市区町村の窓口や年金事務所の窓口では対応していません。日本年金機構が開設した「意向確認書照会専用フリーダイヤル」0120-74-0011に問い合わせる必要があります。窓口に行っても手続きできない、という点は覚えておく価値があります。

同じ時期に必ず出てくる便乗詐欺

本物の書類が大量に発送される時期は、それを装う詐欺が必ず出てきます。

日本年金機構は公式に、「日本年金機構、厚生労働省およびデジタル庁から、電話・SMS・メールで口座番号等の提供を求めることはない」「手数料などの金銭を求めることもない」と明言しています。

つまり、電話やSMSで「口座番号を確認します」「手続きに手数料がかかります」と言われた時点で、これは制度と無関係のニセモノです。

やってみると分かりますが、詐欺の入り口は毎回同じ形をしています。本物の制度・本物の発送タイミングに便乗して、少しだけ違う経路(電話・SMS・LINE)に誘導し、口座情報やお金を求めてくる。8月に届いた熊本地震の被災地支援を装ったDM詐欺も、構造としては同じでした。

「今、本物の書類が届く時期だ」と分かっているだけで、便乗する側の詐欺には気づきやすくなります。実際に、この時期は「年金」「口座」「確認」という言葉が入った不審な電話やSMSが増える傾向があるので、家族に高齢の方がいる場合は、この制度の存在を先に伝えておくと安心です。

逆に言えば、すでに家族の年金口座について普段からよく話している家庭では、あらためて身構える必要はありません。本物の書類の見分け方さえ共有できていれば、それ以上の対策は不要です。

まとめ

意向確認書は詐欺ではなく、日本年金機構が正式に発送している書類です。

対象は令和8年4月15日時点で65歳以上、発送は生年月日別に令和8年8月頃から令和9年2月頃まで順次。45日以内に不同意の意思を示さなければ、年金振込口座がそのまま公金受取口座として登録されます。

登録自体を拒否する理由がない人は、特に何もする必要はありません。不安な点は市区町村の窓口ではなく、専用フリーダイヤル0120-74-0011に確認してください。

そして、電話・SMS・メールで口座番号や手数料を求めてくる相手は、この制度とは無関係だと覚えておくだけで、便乗詐欺のほとんどは避けられます。

内部リンクとして、SMSを使った詐欺の共通パターンは「未払い」を装うSMS詐欺の見分け方に、熊本地震の便乗詐欺の実例は『1,200円戻ってきた』が罠だった〇〇Pay詐欺にまとめています。ねんきん定期便など年金関連の書類全般についてはねんきん定期便の見方ガイドもあわせて確認してみてください。


本記事は、日本年金機構の公式発表をもとに、会社員としての実務経験を踏まえて執筆しています。手続きの詳細や最新情報は、日本年金機構の公式サイトでご確認ください。


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