Skip to content
おカネのミカタ
Go back

その義援金、本当に届きますか——寄付先を確かめる3つの方法と、災害に便乗した詐欺の見分け方

Updated:

その義援金、本当に届きますか——寄付先を確かめる3つの方法と、災害に便乗した詐欺の見分け方

災害が起きると、必ずと言っていいほど同じことが起こります。募金や支援に見せかけた詐欺が動き出すことです。

2026年7月28日に熊本県で発生した地震を受けて、警察庁がさっそく便乗詐欺への注意を呼びかけました。地震の翌日には、もう注意喚起が必要な状況になっているということです。

「何か力になりたい」と思った人の善意が、そのまま詐欺グループの収入になってしまうのは、あまりに理不尽です。この記事では、実際に確認されている手口と、寄付する前に数秒で確かめられる見分け方を整理します。

被災された方にも、遠くから支援したいと考えている方にも、どちらにも関係する内容です。


まず、何が起きたのか

2026年7月28日16時27分ごろ、熊本県熊本地方を震源とする地震が発生しました。地震の規模はマグニチュード7.1、震源の深さは約10キロと発表されています。

最大震度7を観測したのは宇城市と氷川町。震度6強は熊本市南区、八代市、宇土市、美里町、益城町で観測されました。建物や道路の損壊、停電や断水など、広い範囲で被害が出ています。

そして地震発生の翌日には、警察庁が震災に便乗した犯罪への警戒を呼びかける事態になりました。国民生活センターも、被災地で起こりやすい悪質商法について注意を促しています。

災害のたびに繰り返されてきたことですが、「支援したい」という気持ちが、そのまま狙われる構図があります。


実際に確認されている手口

報道や公的機関の注意喚起で挙がっている手口を整理します。

①公的機関や支援団体をかたる義援金詐欺

市役所・県庁・災害支援団体などを名乗り、電話やメール、訪問で義援金や寄付金を求めてくるものです。

特徴的なのが、電子マネーやギフトカードでの支払いを求めてくるケースが報告されている点です。「コンビニで電子マネーを買って、番号を教えてください」という形が典型です。

②SNSでの偽の募金呼びかけ

今回の地震でも、実在する店舗の従業員の家族が亡くなったと偽って、SNS上で個人あてに寄付を募っていたアカウントが確認され、その後削除されています。

具体的な固有名詞と悲しいエピソードを添えると、人は信じやすくなります。「かわいそうな話が具体的であること」は、本物の証拠にはならないということです。

③「無料点検」から始まる点検商法

被災地でとくに多いのがこれです。「屋根を無料で点検します」「床下を見ておきましょうか」と訪問し、点検後に「このままでは雨漏りします」「危険な状態です」と不安をあおって、その場で高額な修理契約を迫るものです。

実際には修理の必要がなかったり、相場より大幅に高い金額を請求されたりするケースが報告されています。

④「保険金を使えば自己負担ゼロで直せます」

これも災害のたびに出てくる勧誘です。「火災保険が使えるので、実質無料で修理できますよ」と持ちかけてくるパターン。

保険金が下りなかった場合に高額な解約料を請求されたり、そもそも保険金の請求内容が事実と違っていて、契約者が保険金詐欺に加担させられる形になったりする危険があります。

⑤親族・警察官などを装った送金要求

「息子さんが被災して困っている」「警察ですが、被災地の口座を確認しています」といった形で、家族や公的機関を装って送金を求めるものです。

災害時は連絡が取りづらく、本人に確認しづらい状況を逆手に取られます。


見分け方は、実はシンプルです

手口は色々ありますが、判断の一線はかなりはっきりしています。次の3つを覚えておくだけで、大半は防げます。

一線①:公的機関が電話や訪問で義援金を求めることはない

これが一番大事なポイントです。市役所や県などの公的機関が、電話をかけてきたり、家を一軒ずつ訪ねてきたりして義援金を集めることはありません

つまり、「市役所ですが義援金を」という電話がかかってきた時点で、それはもう詐欺だと判断してかまいません。相手の言い分を聞く必要すらありません。切ってください。

一線②:電子マネー・ギフトカードでの寄付要求は詐欺

正規の義援金の受付が、コンビニで電子マネーを買わせて番号を聞き出す形を取ることは、まずありません。

電子マネーやギフトカードは、番号を伝えた時点で相手に渡ってしまい、追跡も返金もほぼ不可能です。だからこそ詐欺に使われます。この要求が出た瞬間に、話を打ち切って問題ありません。

一線③:その場で契約しない

修理や工事の話は、どれだけ急かされてもその場でサインしない。これを徹底するだけで、点検商法のほとんどは防げます。

「今日契約してもらえれば特別価格で」「明日には雨が降るので急がないと」という言葉は、冷静に考える時間を奪うための決まり文句です。本当に必要な工事なら、翌日に別の業者から見積もりを取っても、必要であることは変わりません。


寄付したい人が、安全な寄付先を確かめる方法

「詐欺が怖いから寄付をやめる」というのは、いちばんもったいない結論です。確かめ方さえ分かれば、安心して支援できます。

①自分でURLを打つ、または公式サイトから辿る

メールやSNSに貼られたリンクからは入らないでください。日本赤十字社、中央共同募金会、被災自治体などの公式サイトを、自分で検索するかブックマークから開いて、そこに掲載されている受付窓口から手続きします。

リンクを踏まないというだけで、偽サイトに誘導されるリスクはほぼ消えます。

②「誰が集めて、どこに渡るのか」が書いてあるか確認する

信頼できる募集は、集めたお金の送り先と使いみちが明記されています。個人アカウントが「私が現地に届けます」と呼びかけているものは、たとえ善意であっても、お金の流れを検証できません。

③領収書が出るかどうか

自治体や日本赤十字社などを通じた義援金は、寄付金控除の対象になる場合があります。控除を受けるには受領証(領収書)が必要なので、領収書が出ない募集は、税制上の扱い以前に、記録が残らないという点で慎重になったほうがいいです。

なお控除の具体的な扱いは寄付先や年によって異なるため、実際に申告する際は国税庁の案内で最新の条件を確認してください。


被災地に家族や実家がある人がやっておくこと

遠くにいて直接助けに行けない場合でも、できることがあります。

合言葉を決めておく

親族を装った送金要求への対策として、家族だけが知っている合言葉を決めておくと、なりすましを見抜けます。災害時に限らず有効な備えです。

「修理はその場で決めない」と先に伝えておく

高齢の家族が被災地にいる場合、訪問してくる業者への対応が心配になります。事前に電話で「業者が来ても、その場では絶対に契約しないで。一度こっちに電話して」と伝えておくだけで、点検商法はかなり防げます。

判断を1人で背負わせないことが、いちばんの守りになります。

保険の内容を一緒に確認しておく

「保険で無料で直せます」という勧誘に対抗するには、自分の保険が実際に何をカバーしているかを知っておくのが確実です。加入している保険会社や代理店に直接聞けば、その勧誘が妥当かどうかはすぐ分かります。

火災保険の中身をそもそも把握していないという方は、賃貸の火災保険、不動産屋の言い値で入ってへん?——自分で選んで保険料を下げた話も参考になると思います。


困ったとき、迷ったときの相談先

判断に迷ったら、契約する前に相談してください。無料です。

「これは詐欺かもしれないけど、確信はない」という段階で相談していい窓口です。契約してしまってからより、迷っている段階で聞くほうがずっと解決しやすくなります。

また、実際に被災された方が使える公的な支援制度については、台風・豪雨で被災したら使えるお金の制度まとめ——すべての入口は「罹災証明書」に整理しています。支援制度の入口はほぼすべて罹災証明書なので、まずそこから動くのが確実です。


平時にできる備えのこと

最後に、災害そのものへの備えについても一つだけ。

災害時にいちばん効くのは、実はすぐ動かせる現金です。停電するとキャッシュレス決済が使えなくなり、ATMも止まります。生活防衛資金を現金・普通預金である程度持っておくことの意味は、こういう場面で出てきます。

このあたりの考え方は貯金と投資、どっちが先?——“順番”を間違えると危ないにまとめています。全額を投資に回さず、手元に置いておく分を確保しておく理由が、災害時にははっきり分かります。


まとめ

支援したいという気持ちは、正しい窓口に届けば確実に力になります。少しだけ確かめる手間をかけて、その善意が本当に必要な場所に届くようにしてください。


本記事は、NISA・家計改善を実践する会社員が、警察庁・国民生活センター・報道機関の公開情報をもとに執筆しています。

本記事は2026年8月時点の情報に基づいています。詐欺の手口は時間とともに変化します。最新の注意喚起は警察庁・消費者庁・国民生活センターの公式発表をご確認ください。寄付金控除の適用条件については国税庁の案内をご確認ください。


Share this post on:

Previous Post
【昨日の勧告】公務員の月給が3.51%上がる——これは「民間の給料が上がった」という国の計測結果です
Next Post
その未払いSMS、送金させようとしていませんか——「正規の請求に送金機能は使われない」という一線