同期入社の中で、同じ給料をもらっているのに「気づいたら差がついている」という現象があります。
入社5年目、私は手取り28万円で貯金50万円でした。同期のAさん(同じ年収)は、家を買うための頭金として500万円貯めていた。
「何が違うのか」を考えたとき、「節約しているかどうか」より前に「考え方の違い」があると気づきました。
8年間で見てきた「お金が残る人・残らない人の思考の違い」を書きます。
違い①:「使う理由」の質が違う
お金が残らない人: 「なんとなく」が多い
- 「なんとなくコンビニに入った」
- 「なんとなくセールで買った」
- 「みんな行くから飲み会に参加した」
「なんとなく」の支出は積み重なると大きくなる。一つひとつは500円・1,000円でも、月に積み上がると3〜5万円になる場合がある。
お金が残る人: 「使う理由」が明確
- 「この服は3年着れるから買う」
- 「この本は仕事に直結するから買う」
- 「この飲み会は大切な人との時間だから行く」
「この支出はなぜするのか」が言語化できる人は、「なんとなく」の支出が自然に減ります。
「理由を言語化する」という習慣が、支出の質を変えます。
違い②:「損をしたくない」の方向が違う
お金が残らない人: セール・割引に「損をしたくない」
「今だけ50%オフ」「残り3点」という表示を見て「買わないと損」という感覚になる。
本来不要なものを「割引だから」という理由で買うのは、支出の増加につながります。
割引は「元々買う予定のものが安く買える」場合にメリットがあります。「割引があるから買う」はその逆です。
お金が残る人: 「無駄な支出」に「損をしたくない」
「この定期契約、全然使っていない。もったいない」という感覚が強い。
「使っていないのにお金が出ていく」ことへの不快感が、無駄な固定費の解約や見直しにつながります。
どちらも「損をしたくない」という感情ですが、向いている方向が違います。
違い③:「未来の自分」への意識が違う
お金が残らない人: 今の自分が優先
「老後のことはまだ先」「今楽しむ方が大切」という思考。
これ自体は間違いではありませんが、「今」ばかり優先すると「未来の自分」への投資(貯蓄・投資・スキルアップ)が後回しになります。
30代に「老後資金ゼロ」という状態は、「今」を優先した結果であることが多い。
お金が残る人: 未来の自分をイメージできる
「10年後の自分はこういう状態にしたい」というビジョンがある。
「今月5万円貯めれば、5年後には300万円になる」という計算ができる。
未来の自分のために今使わないという選択が、自然にできる。
違い④:お金の「感情」の扱い方が違う
お金が残らない人: ストレス発散に使う
仕事で嫌なことがあった日に「ちょっといいもの食べよう」「ショッピングでリフレッシュ」という習慣がある。
ストレスとお金の使用が連動しているので、仕事のストレスが多い時期ほど支出が増える。
お金が残る人: お金とストレスを切り離す
「仕事がつらい → 買い物」ではなく、別のストレス発散手段を持っている。
運動・趣味(費用の低いもの)・睡眠など。
「お金を使わないと気分転換できない」という状態を意識的に避けている。
違い⑤:「お金の話」への姿勢が違う
お金が残らない人: お金の話を避ける
「お金の話はがめつい」「投資とか難しくて」という意識があって、お金に関する知識を積極的に取りに行かない。
知識がないまま「なんとかなる」という感覚でいると、制度の見落としや損な選択が積み重なります。
ふるさと納税・iDeCoなどの制度を「難しそう」と敬遠して使わないのは、年間数万円〜10万円以上の機会損失になる場合があります。
お金が残る人: お金の話を積極的に収集する
「得をした・節約できた」という話題を面白がって聞く。
「こういう制度があるらしい」「これを試したら〇〇円安くなった」という情報を集める習慣がある。
知識が増えると「使える制度・使えない制度」の判断ができるようになり、損な選択を避けられます。
違い⑥:「平均」を参照点にするかどうか
お金が残らない人: 「みんなもやってるから」が判断基準
「友達みんなが新車に乗っているから」「同期がこのくらいの家賃を払っているから」という「周りと同じ」が基準になる。
自分の収入・支出・目標と関係なく、「平均的な消費」をしてしまう。
お金が残る人: 自分の数字が判断基準
「自分の手取りに対して、家賃が何%か」という自分の数字を持っている。
「周りはどうか」より「自分はどうか」を優先して判断する。
他人の消費を参照点にしない分、「自分に合った支出設計」ができます。
「上手な人」が特別なわけではない
書いてきた違いは「才能」ではなく「習慣」です。
最初から「お金の使い方が上手」な人はいません。
「使う理由を言語化する」「未来の自分をイメージする」「お金の情報を積極的に取る」という習慣を一つずつ身につけた結果として、「お金が残る人」になっています。
私自身、8年前は「お金が残らない側」でした。
家計簿をつけ始めて「なんとなく」の支出に気づき、ふるさと納税・iDeCoを始めて節税の実感を得て、NISAで資産が少しずつ増える体験をした。
一つひとつは小さなことですが、それが積み重なって「考え方」が変わっていきました。
「明日から全部変える」は難しいですが、「一つだけ試す」は今日からできます。
マネーフォワード ME
「なんとなく」の支出を可視化して、お金の使い方のパターンを確認できます。「何にいくら使っているか」を把握することが、支出の質を変える第一歩です。