退職金を受け取ると、それなりの金額が動きます。「これ、確定申告いるの? 税金戻ってくるの?」と気になりますよね。
結論は「人によります」。多くの人は、ある申告書を1枚出していれば確定申告は不要。でも、出し忘れた人や、年の途中で辞めた人は、確定申告すると税金が戻ることがあります。今日はその分かれ道を整理します(2026年時点の一般的な解説です)。
まず:退職金は税金がとても優遇されている
退職金は、長年の勤労に対するごほうび。だから税制でかなり優遇されています。ポイントは2つ。
① 退職所得控除が大きい
勤続年数に応じて、退職金から大きな金額を差し引けます。
- 勤続20年まで:1年あたり40万円(例:20年なら800万円)
- 勤続20年を超える分:1年あたり70万円
たとえば勤続30年なら、800万円+(10年×70万円)=1,500万円まで控除。退職金がこの範囲なら、税金はかかりません。
② さらに「2分の1」課税
控除を引いてもなお残る部分は、さらに2分の1にしてから課税されます。しかも他の所得と分けて計算する「分離課税」。二重三重に優遇されているわけです。
申告書を出していれば、原則「確定申告不要」
退職時に勤務先へ「退職所得の受給に関する申告書」を提出していれば、会社が上の優遇を反映して正しく源泉徴収してくれます。この場合、退職金について確定申告は原則不要です。多くの人がこのパターンです。
【確定申告で戻る人】こんなケース
一方で、申告すると税金が戻る(または精算が必要な)人もいます。
① 「受給に関する申告書」を出し忘れた
これを出さないと、退職金から**一律20.42%**が源泉徴収されてしまいます。退職所得控除が反映されていないので、払いすぎになっていることが多い。確定申告すれば、その差額が還付されます。これは取り戻せる代表例です。
② 年の途中で退職して、その後働いていない
年の途中で辞めて再就職していないと、給与の年末調整が行われていません。すると、基礎控除・配偶者控除・社会保険料控除・生命保険料控除などの所得控除が使い切れずに余っていることがあります。確定申告でこれらを精算すると、給与から引かれた所得税が戻ることがあります。
③ 医療費控除・ふるさと納税などがある
退職した年に医療費が多くかかった、ふるさと納税をした、という場合も、確定申告でこれらの控除を受けられます。
【しなくていい人】こんなケース
- 「退職所得の受給に関する申告書」を提出済み
- かつ、退職後すぐ再就職して、新しい勤務先で年末調整される(または年内の所得が整っている)
- 医療費控除など、ほかに申告する理由もない
このような人は、退職金について特に確定申告しなくても大丈夫なことが多いです。
よくある質問(FAQ)
Q. 「退職所得の受給に関する申告書」って何?
A. 退職金にかかる税金を、退職所得控除を反映して正しく計算してもらうための書類です。退職時に勤務先から渡され、提出すれば確定申告は原則不要になります。
Q. 出し忘れたらどうなる?
A. 退職金から一律20.42%が源泉徴収されます。退職所得控除が反映されていないため払いすぎになりがちで、確定申告で取り戻せることが多いです。
Q. 年の途中で辞めた場合、必ず申告した方が得?
A. 所得控除が余っていれば還付の可能性があります。源泉徴収票を見て、税金が引かれているのに年末調整されていないなら、申告を検討する価値があります。
Q. iDeCoの一時金も退職金と同じ扱い?
A. 一時金で受け取る場合は退職所得として扱われますが、退職金と受け取る年が近いと控除の計算が複雑になります。該当する人は税務署・専門家に確認を。
まとめ
- 退職金は退職所得控除+2分の1課税で、税制が大きく優遇されている
- 「退職所得の受給に関する申告書」を出していれば、原則確定申告は不要
- 出し忘れた人(一律20.42%源泉徴収)は、確定申告で戻ることが多い
- 年の途中で辞めて働いていない人は、余った所得控除の精算で戻ることがある
- 医療費控除・ふるさと納税がある年も申告で得をする
「退職金、申告したら戻る?」の答えは、「申告書を出していれば基本不要。出し忘れ・途中退職なら戻るかも」。退職時の源泉徴収票を一度確認してみてください。
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本記事は、家計改善を実践する会社員が、自身の経験と公的機関・公開情報をもとに執筆しています。
本記事は2026年時点の制度に基づく一般的な解説です。退職所得・控除の計算は勤続年数や他の所得、受け取り方によって変わります。実際の判断は国税庁・税務署・専門家に必ずご確認ください。