「子どもの将来のために、子ども名義の口座にコツコツ貯金してる」——とても多い、そして愛のある習慣です。でも、ここに意外な税金の落とし穴があるのをご存じでしょうか。
名義は子どもでも、お金を出して管理しているのが親なら、そのお金は税務署から「名義預金」とみなされ、子どものものでも、贈与でもなく、“親のお金”のままとして扱われることがあります。すると、相続のときに思わぬ追徴課税に……。今日はこの仕組みと、ちゃんと「あげた」ことにする作り方を解説します(2026年時点の一般的な解説で、税務アドバイスではありません)。
「名義預金」って何?
名義預金とは、ざっくり言うと「名義人と、本当の持ち主が違う預金」のことです。
- 口座の名義:子ども(や孫、配偶者)
- でも、お金を出したのは親(祖父母)で、通帳・印鑑も親が管理し、子どもはその存在すら知らない
このような場合、税務署は「名義は子どもでも、実質的に支配しているのは親だから、これは親の財産」と判断します。名義を変えただけでは、財産は移ったことにならないんです。
なぜ問題になる? → 相続のときに表面化する
名義預金がいちばん問題になるのは、親(祖父母)が亡くなって相続が発生したときです。
- 相続税の調査で、子ども・孫名義の口座も故人の財産(相続財産)に加算される
- 「これは子どものお金です」と言っても、実態が名義預金なら通らない
- 結果、相続税が増え、申告漏れとして追徴課税やペナルティの対象になることも
「生前にせっせと子ども名義に移して相続税対策をしたつもり」が、実は1円も移っていなかった——これが名義預金の怖いところです。
なぜ「贈与」になっていないの?
贈与(あげる)は、法律上は**「あげる人」と「もらう人」の合意**で成立します。片方が勝手に名義を作って入金しただけでは、もらう人が「もらった」と認識していないので、贈与が成立していないのです。
つまり、
- もらう人(子ども)が贈与を知らない・管理していない → 名義預金(贈与未成立)
- もらう人が贈与を認識し、自分で管理・使える → 贈与成立
この差が、税務上はとても大きいんです。
ちゃんと「あげた」ことにする作り方
では、名義預金と言われず、きちんと贈与として認められるには? ポイントは「もらった人が、自分のお金として支配している」状態を作ることです。
- 贈与契約書を作る:「あげます/もらいます」を書面で残す(毎年でもOK)
- 通帳・印鑑・キャッシュカードは、もらう人が管理する:親が握ったままにしない
- もらう人の口座へ、振込で動かす:履歴が残る形にする
- 年110万円の非課税枠を意識する:暦年贈与は1人あたり年110万円までなら贈与税がかからない(2026年時点)。超える分は贈与税の対象
- 子どもが小さい場合:親が代理で管理することになるが、「子どものために管理している」実態(子ども本人のために使う・成人後に渡す等)を明確にしておく
ようは「名義を変える」だけでなく、「気持ちも、管理も、ちゃんと渡す」ことが大事なんです。
暦年贈与の注意点(2026年)
- 1人あたり年110万円までは贈与税がかからない(基礎控除)
- ただし「毎年同じ金額を同じ時期に贈与」する形は、まとめて贈与する約束(定期贈与)とみなされるリスクがあると言われる。金額・時期に幅を持たせる、契約書を都度作るなどの工夫を
- 相続が近い時期の贈与は、相続財産への持ち戻し(加算)の対象になる場合がある。ルールは改正されることがあるため、最新情報の確認を
よくある質問(FAQ)
Q. 子どもがまだ赤ちゃんでも贈与できる?
A. 法的には親が代理して受け取る形で可能とされますが、「親が管理しているだけ」と区別がつきにくく、名義預金と判断されやすいです。贈与契約書を残し、子どものために使う実態を明確にしておきましょう。
Q. 年110万円以内なら何も手続きはいらない?
A. 贈与税の申告は不要ですが、「贈与が成立している」証拠(契約書・本人管理)は残しておくべきです。これがないと、後で名義預金とみなされるリスクが残ります。
Q. すでに名義預金になっていそう。どうすれば?
A. 早めに「正式な贈与」に切り替える(契約書・本人管理へ移す)などの整理が考えられます。金額が大きい・相続が絡む場合は、税理士に相談するのが安全です。
まとめ
- 名義が子どもでも、お金を出して管理しているのが親なら「名義預金」=親の財産扱い
- 相続のとき、子ども・孫名義の口座も故人の財産に加算され、追徴の対象になることがある
- 名義を変えただけでは贈与は成立しない。「もらう人が認識し、自分で管理・使える」状態が必要
- ちゃんと渡すには、贈与契約書・本人が通帳管理・振込で記録・年110万円を意識
- 金額が大きい、相続が近いときは税理士に相談を
子どものための貯金は、とても良いこと。でも「名義を変える」だけで満足せず、「ちゃんと、あげる」ところまでやっておくと、将来のもめごとを防げます。
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本記事は、家計改善を実践する会社員が、自身の経験と公的機関・公開情報をもとに執筆しています。
本記事は2026年時点の制度に基づく一般的な解説です。贈与税・相続税のルールは改正や個別事情で変わり、金額が大きいケースは専門的な判断が必要です。実際の手続き・判断は国税庁・税務署・税理士に必ずご確認ください。