会社員になった当初、企業型確定拠出年金(企業型DC)の書類に「とりあえず」という感じで記入して、そのままにしていました。
5年後に気づいたのは「元本保証型の定期預金に全額入っていた」という事実。
5年間、ほぼ金利ゼロで預けていたようなものでした。
見直したら運用成績が大きく変わりました。
企業型DCとは何か(おさらい)
企業型DC(企業型確定拠出年金)は、会社が毎月一定額を積み立て、従業員が自分で運用商品を選ぶ制度です。
特徴:
- 会社が掛金を拠出する(給与に上乗せされる形)
- 従業員が投資商品を選ぶ
- 60歳以降に受け取る
- 運用益は非課税
- 一般的に月1〜3万円程度が毎月積み立てられている
「会社がお金を出してくれる制度」なので、制度があるなら最大限活用すべきですが、「運用商品の選択を会社員本人がする」という仕組みなので、ほったらかしにしている人が多い。
私の5年間のほったらかしの実態
入社当初、書類に記入するとき、担当者から「商品を選んでください」と言われました。
選択肢を見ると「定期預金」「バランスファンド」「国内株式」「外国株式」など10〜15種類。
「よく分からないから、一番安全そうなもの」という理由で、元本保証の定期預金を選びました。
5年後の確認結果:
- 5年間の拠出合計:約90万円(会社拠出)
- 5年後の残高:約91万円
- 運用成績:ほぼゼロ(定期預金の金利分のみ)
「同じ期間に全世界株式インデックスに入れていたら?」という試算:
- 年利5%で5年の積立 → 約100万円(利益約10万円)
10万円の機会損失。元本が会社拠出なので「自分のお金の損」ではないですが、もったいない選択でした。
運用商品を見直す
担当窓口に連絡して、運用商品の変更を申し込みました。
企業型DCは多くの場合、専用のウェブサイトやアプリから運用商品を変更できます。
見直し後の配分:
- 外国株式インデックスファンド(S&P500連動):70%
- 全世界株式インデックスファンド:30%
「国内外の分散」と「低コスト」という基準で選びました。
企業型DCで選べる商品は、NISAで買えるインデックスファンドより信託報酬が高いことが多い(企業と運用会社の契約によって異なる)。
その中でも「最もコストが低い株式インデックス」を選ぶのが基本です。
見直し後の2年間の成績
見直してから2年経ちました。
- 見直し前の拠出残高(5年分):91万円
- 見直し後2年間の新規拠出:約36万円
- 2年後の合計残高:約152万円(見直し前比較:+61万円)
「元本拠出合計は127万円(91万 + 36万)なのに残高が152万円」。
25万円の含み益が出ています。
もちろん相場状況によって変わりますが、「定期預金のままだったら0円の利益」と比べると、運用商品の選択がいかに大事かが分かります。
企業型DCを確認すべきポイント
企業型DCをほったらかしにしている場合、以下を確認することをすすめます。
①現在の運用商品の配分を確認する
会社の福利厚生ポータルまたは運営機関(SBI系・野村系など)のウェブサイトにログインして確認します。
ログイン情報は入社時の書類に記載されているはずです(分からなければ会社の人事部に問い合わせる)。
②運用商品の信託報酬を確認する
現在設定している商品の信託報酬(年率)を確認します。
信託報酬が0.1〜0.3%以下のインデックスファンドがあれば、そちらへの移行を検討。
1%以上の信託報酬の商品は「高コスト」と判断していい。
③株式比率を上げるか検討する
老後まで20〜30年以上ある人(30〜40代)は、株式比率を高くする方がリターンを期待できます。
元本保証の定期預金・債券が多い場合、株式インデックスへの比率を高めることを検討。
企業型DCとiDeCoの関係
2022年10月から、企業型DCに加入している会社員もiDeCoに加入できるようになりました(一定の条件あり)。
ただし、企業型DCの掛金とiDeCoの掛金の合計に上限があります。
「企業型DCがある → iDeCoも使えるかもしれない」という認識を持っておき、会社の人事部またはiDeCoの金融機関に確認しましょう。
「よく分からないから定期預金」は損している
企業型DCで「よく分からないから元本保証の定期預金」という選択をしている人はかなり多いです。
でも「元本保証 = 安全」というのは短期的な話で、長期投資においては「インフレによる実質価値の目減り」というリスクがあります。
年2〜3%のインフレが続く中で、ほぼゼロ金利の定期預金に入れ続けることは「実質的に価値が下がっている」とも言えます。
老後まで20〜30年という長い投資期間がある場合、「株式インデックスへの長期積立」の方が合理的な選択です。
ただし「老後が近い(10年以内)」「リスクを取りたくない」という場合は、現金・債券の比率を高めるのは理解できます。自分の状況に合わせた判断が大切です。
マネーフォワード ME
企業型DC・iDeCoの残高を一括管理できます。「老後資金がいくら積み上がっているか」を定期的に確認して、必要なら運用商品の見直しのきっかけにしましょう。